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自慢の紋付、ダイミョウセセリ

(所沢市HPふれ里だより平成25年8月号」より)

早い梅雨明けで、猛暑が続いたかと思うと、ゲリラ豪雨。一方、渇水も心配の種となっています。

不安定なお天気のせいかわかりませんが、チョウの姿がいつもの年より少ないように思えます。もっとも8月はこのあたりでチョウの飛ぶ姿がそう多く見られるわけではありませんが。

雑木林周辺で見られるチョウに、ダイミョウセセリがいます。狭山丘陵あたりでは、4月中旬頃から9月頃まで3回程成虫が見られる時期があり、8月中旬ころから見られるのが最後です。北海道から九州に分布し、日本以外では東アジア、東南アジアに分布します。
幼虫はヤマノイモやオニドコロなどの葉を食べ、葉の先を少し折って綴り、中に潜んでいます。秋には地上に降り落ち葉の下で冬を越し、翌春お腹を空かせたまま蛹になり成虫となります。

花に吸蜜に訪れ、汚物にも来るようですが、あまりそういった姿は見かけません。ふいと飛んで来たかと思うと葉の上などに翅を広げて留まります。目いっぱい広げてアピールしているようにも見えますが、4cmあるかどうかといった大きさです。驚くと葉の裏に隠れるところなど、ちょっとガのようでもあります。

黒褐色の翅に白い斑紋が特徴的ですが、斑紋に地域差があり、関東型は前翅にだけあり、後翅には時にうっすらと痕跡がある程度です。関西型には後翅にもはっきりと斑紋があります。
学名はDaimio tethysで、英名はChina Flat。英名は翅をひろげて留まることを表しているようです。和名につく『大名』ですが、翅の斑紋が大名の紋付きのようで、それを見せびらかしているようだからと言った説と、大名行列が来て驚いてひれ伏す姿に似ているからだとの説があります。状況にもよりますが、どちらにも見て取れるので面白いです。みなさんはどちらに見えますか?

花の少ない時季、クサギが吸蜜に訪れる虫を独占しているかのようです。下旬にはユウガギクなど初秋の花が咲き始めます。暦の上では秋が始まっています。
今年は8月13日が旧暦の7月7日で、伝統的七夕の日です。午前3時ころはペルセウス座流星群もピークが予想され、夕方の上弦前日の月近くには土星が見えます。ハヤシノウマオイの「ズイーッチョン」という鳴き声も聞かれるかもしれません。
昼間の空にも秋の気配が見付けられることがあるでしょう。森にはシジュウカラをはじめ野鳥たちの声が賑やかになり始めます。


ダイミョウセセリ

オニドコロ

ハヤシノウマオイ

ヤマノイモ

 



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