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役に立たない?ゴンズイ

(所沢市HPふれ里だより平成25年11月号」より)

気温の変動が激しく、相次ぐ台風の来襲。なかなか衣替えがしにくいと思っていたら急に肌寒い日が続くようになりました。
朝夕の冷え込みと共に、赤く色付いたヤマザクラの葉が落ちていたり、黄色くなったヤマノイモの葉が見られたりします。

実りの秋。今年は豊作で、センターの周りではいつもより大きめのコナラのドングリがたくさん落ちています。
そして、9月下旬から赤と黒のコントラストで目を引いているゴンズイの実が、まだ頑張っています。花は、5~6月に咲きますが、黄緑色の小さな花はつい見逃しがちです。
色を対比させる2色効果で種を目立たせ鳥にアピールしていますが、赤と紫のクサギ、赤から黒に熟し1本の木に赤と黒の実が混在するヤマザクラなども、同じように鳥にアピールしています。

ゴンズイの実は赤く熟すと果皮が裂け、中からつやつやした黒い種が1~2個顔をのぞかせます。さあ、食べてくださいと言わんばかりです。
木の実は鳥に食べられることによって発芽率が上がるものが多く、種を運んでもらう変わりに果肉を提供しているというものが多いなか、ゴンズイは引き寄せられた鳥が黒い種をついばみ、堅い種はそのまま排泄され、種を運んでもらうだけになるようです。
鳥の方も学習しているのか、いつまでもゴンズイの実は残っていますが、種は落ちるものもあるので、12月頃にはたいてい赤い果皮だけになっています。センターの周りで、鳥が運んだと思われる実生のゴンズイはあちこちで見かけられるので、ゴンズイの種まき作戦はまずまず成功しているようです。

学名は、Euscaphis japonicaで、日本の良い小舟といった意味で、実の美しさから来ています。
ゴンズイの名前の由来は諸説ありますが、材がもろく役に立たないということで、背ビレと胸ビレに毒をもち、釣り人に迷惑がられることが多い魚のゴンズイにたとえたとか、樹皮が同じく魚のゴンズイに似ているからというのがよく言われています。
役に立たないと言われますが、若葉は救荒食にされたようで、実の美しさから、庭木としても広く植えられています。特徴的な葉は覚えやすく、秋の実の美しさはもちろん、紅い冬芽や芽吹きも可愛いものです。
関東以西に分布する落葉小高木のゴンズイ、これからは紅葉も楽しみです。

不順な天候のせいか、コウヤボウキやシラヤマギクが早くから咲いています。成虫で冬を越すウラギンシジミですが、まだ夏型のものが居ます。ジョウビタキやツグミ、野鳥の渡りも遅れ気味のようです。足早に過ぎていきそうな秋をお見逃しなく。


ゴンズイの実

ゴンズイの芽吹き

 


シラヤマギク

ウラギンシジミ