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渓流の貴公子(貴婦人)、キセキレイ

(所沢市HPふれ里だより平成26年2月号」より)

この冬はあちこちで聞かれる「鳥が少ない。」の声。初めは渡りが遅れているのかもしれないと思っていましたが、どうもそうではなかったようです。

センターの周りでも数は多くはないですが、いつも冬に見かける野鳥はほとんど見ることができます。
狭山丘陵に1年中いるものの、キセキレイも冬になるとセンターの周りで出会うようになる鳥です。体長は20センチほどで、九州以北の平地から高山までの水辺、特に渓流に沿って生息し、高地や北部のものは温暖な地方へ移動して冬を越します。
その名の通り、胸から体下面と腰が黄色ですが、冬はのどが白く、全体に淡くくすんだ感じになります。
やはり狭山丘陵に1年中いるハクセキレイや、セグロセキレイと大きさは変わりませんが、尾が長く身体もスマートです。その分縄張り争いなどになると負けてしまうようです。

尾を振っているのが特徴で、腰を上下に振るので長い尾羽は良く動きます。地面で餌となる虫を探し、時には空中で虫を捕まえます。
「チチッ チチッ」と細く鋭い声で鳴きます。聞きなれないと3種のセキレイの声は聞き分けにくいでしょうが、一番澄んだ声です。
ヒナの糞を巣の外に捨てる野鳥はたくさんいますが、キセキレイは糞を水に流し、ついでにくちばしも洗います。
翼を広げると白い帯が見え、大きく波形を描いて飛ぶ姿といい、見た目も生活もスマートでおしゃれな感じですが、車のバックミラーに映る自分の姿に向かって懸命に闘っている光景を見かけることもあります。

古くから身近な存在だったセキレイ。日本神話でイザナギ、イザナミの前に現れたというのは日本固有種のセグロセキレイでしょうか。

寒さの和らぐ日が多くなってきた1月でしたが、2月に入りまた寒さが厳しくなり、衣更着(きさらぎ)を実感する日が多いかも知れません。
2月4日は立春。日差しは春めき陽気は増すので、気更来(きさらぎ)も実感できるでしょう。咲き始めたウグイスカグラに続き、ウメの便りも聞かれ始めます。ニワトコやクロモジの冬芽もほころび始めます。
モズやエナガに続き、シジュウカラもそろそろ巣作りの準備にかかります。

ちょっと気をつけてみると、春のきざしが見えてくるかも知れません。


キセキレイ

ニワトコ

モズ


狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています