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ニワトコのふゆめ開いて、春弥生

(所沢市HPふれ里だより平成26年3月号」より)

このあたりも記録的な大雪に見舞われた2月。ひときわ春が持ちどおしいような気がします。
冬芽も注意して見ると、変化が表れ始めています。中でもいち早く春を告げるニワトコ。細い葉芽と花の芽と葉の芽が一緒に入っている丸い混芽。葉のついていた痕の葉痕も愛らしい顔のように見えます。早い木なら葉芽は1月中に、2月も半ばになると混芽ははちきれんばかりにぷっくりと膨らみ、ほどなく芽吹いたかと思うと、つぼみが顔を出し始めます。

本州、四国、九州の山野の林縁に生える落葉低木~小高木ニワトコ。時には6メートルほどにもなります。
ブロッコリーのようなつぼみまでは注目されがちですが、花は多数つけるものの、一つ一つは小さく色も黄白色か淡紫色で目立ちません。植物としては人に見てもらう必要はなく、初夏には暗赤色に熟す実を結び、また人の注目を浴びたかと思うと、すぐに野鳥のエサになったり落ちたりして種まきを済ませます。
花や枝、葉を民間薬として用いるほか、髄は顕微鏡観察用の切片を作る時に材料をはさんで切るのに利用されます。新芽は山菜として食べられますが、有毒物質を含んでいるので、多用はやめましょう。
古来、枝や幹を煎じて水あめ状にしたものを、骨折などの幹部にあてて湿布をしたことから別名接骨木(セッコツボク)と呼ばれます。

ハリーポッターの物語中にニワトコの魔法の杖が出てきますが、ヨーロッパに分布するものは日本のものとは違い、花に甘い香りがある、実が黒く熟すなどの特徴があります。国内でも変異が多く、オオニワトコ、キミノニワトコといったように別に名前がついています。
古事記や万葉集には『山たづ』として出てきて、『迎える』にかかる言葉として使われ、葉と葉が向かい合っていることから両腕を広げて人を『迎える』姿になぞらえた。または神を迎える神聖な木とされていたからだとも言われています。
地方によっては魔よけとしても使われているとか。洋の東西を問わずニワトコには霊力のようなものが潜んでいると考えられてきたのでしょうか。

ニワトコに続き、コウヤボウキも毛玉のような冬芽をほころばせ、クロモジもいつ咲こうかと待ちわびているようです。ヒサカキの花の独特な香りも漂い始めます。
今年は東京での桜の開花予想は3月25日とされています。3月6日は啓蟄。そろそろガの幼虫も出始め、シジュウカラは巣作りの準備を始めます。森に劇的な変化が訪れる時季の到来です。


ニワトコ

クロモジ

シジュウカラ