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あわてんぼうのモンシロチョウ(所沢市HPふれ里だより平成28年2月号より)

暖冬かと思えば各地に記録的な雪が降ったり、また3月並みの陽気になったりと不安定な天候が続いています。今年は2月4日が立春で、暦の上では春ですが、まだまだ冬将軍は元気一杯です。

「ちょうちょう ちょうちょう 菜の葉にとまれ」おなじみの唱歌ですが、この歌でモンシロチョウを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。日本で最もポピュラーなチョウと言っても過言ではないこのチョウは、日本全土に普通にいて、ヨーロッパに広く分布します。もともと日本にはいなかったがヨーロッパから幼虫の食草であるキャベツとともに中国経由で日本に来たのではとの説もあります。

人の目で雌雄の区別はつきにくいですが、雄の翅は紫外線を吸収し、雌の翅は紫外線を反射するようになっているので、モンシロチョウには雄は黒く、雌は白く見えていてちゃんと区別できるのだとか。
菜の葉にとまれの歌詞通り、幼虫の食草はアブラナ科の植物で、特にキャベツを好みます。路傍や耕作地など日当たりのよい場所を好み、栽培種や耕作物を好むため、畑では『害虫』と目の敵にされています。
桜の花の花から花へと歌詞は続きますが、桜はともかく成虫は各種の花で吸蜜します。花や産卵のための食草を求めて意外なほど速いスピードで移動し、時には海をも渡るほどの飛翔力を持っているとか。

このあたりですと桜の花の咲くころ、3月頃から発生を繰り返し、気温に左右され回数は不確定なものの、11月頃までに5回くらい発生していると考えられます。九州の暖地では2月ごろから発生しますが、センター周辺でも2月に、早ければ1月にひらひらと飛んでいる姿を見かけることがあります。通常さなぎで越冬していて、春を思わせる陽気の日が続くと羽化してしまうのかもしれません。残念ながら花は少なく、また寒い日が続くと生きてはいかれないでしょう。

日当たりを好むとはいえ真夏の暑さには弱く、成虫の姿はほとんど見かけなくなります。天敵であるアオムシサムライコマユバチが増えることからも数を減らすものと思われます。コマユバチはまだ小さな幼虫の時にモンシロチョウの幼虫に寄生し、さなぎになろうとする頃に体を食い破り幼虫がぞろぞろと出てきてすぐにまゆを作ります。時に寄生率は5割~9割に達することもあるようです。

天敵に備えてか、モンシロチョウの卵は小さく、1つずつたくさん食草に産み付けられます。
モンシロチョウによく似たスジグロシロチョウの卵はモンシロチョウよりも大きく、産み付ける数も少ないようです。これはコマユバチに寄生されないことも大きな理由でしょう。食草も栽培種を好むモンシロチョウと違い同じアブラナ科でも、野生種、特に帰化植物のショカツサイなどを好むので害虫として駆除されることもあまりありません。
この2種は飛んでいるとほとんど見分けがつきませんが、スジグロシロチョウの方は炎天下を好まず、森の中などやや日影を好みます。両種とも季節による色に変化がありますが、止まればスジグロシロチョウはその名の通り黒い筋が確認できます。気を付けて見ると、畑以外で出会うのは大抵スジグロシロチョウです。

モンシロチョウの本格的な発生にはもう少し間がありますが、春は確実に近づいています。シジュウカラもペアで巣作りする場所を探し始めています。梅の便りもあちこちで聞かれるようになり、ヤマハンノキは風に花粉を運んでもらい始めています。フキノトウも落ち葉の間から顔をのぞかせていますよ。


モンシロチョウ

ヤマハンノキ

フキ