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狭山丘陵について


【狭山丘陵全図】

里山の景色の中に数多くの動植物が息づく狭山丘陵。その魅力や歴史などをご紹介します。
東京と埼玉にまたがり、東西約11㎞、南北約4㎞、面積約3500haにわたってひろがるこの丘陵は、首都圏に残された緑の孤島。ここには武蔵野の里山の景色が残っています。
そして、ゆるやかな丘と谷が織りなす四季折々の里山の美しい景色のなかに、多くの動植物が息づいています。

狭山丘陵に息づく動植物

里山は、多くの生き物をはぐくみ、多様な自然環境を作り上げてきました。
今では貴重になったカタクリやキンランなどの草花、キツネやタヌキなどの哺乳動物、オオタカやフクロウなどの鳥類が生息しています。 昆虫もムカシヤンマやシジミチョウなど多くの種が確認され、春になると水たまりにはトウキョウサンショウウオの大きな卵のかたまりが見られることもあります。
チゴユリやギンリョウソウ、ウラギンシジミといった貴重な種やムカシヤンマといった貴重な昆虫など、大都市近郊の緑地としては驚くほどに豊かな自然が残されており、自然の宝庫とよぶにふさわしいところです。
狭山丘陵は四季折々の景色の美しさも格別です。ヤマツツジの咲く新緑の景色、緑萌える初夏、葉の色づく秋・・・。多くの詩人や作家、画家などといった芸術家によりその美しさが詩歌に詠まれ、映像としても描き続けられています。また、多くの市民の方にも親しまれています。

チゴユリの写真  ギンリョウソウの写真 ウラギンシジミの写真 トウキョウサンショウウオの写真

狭山丘陵のなりたち

狭山丘陵では、縄文時代を主とした400ヶ所もの遺跡の存在が知られています。石器時代からその豊かな自然の恵みを利用して、人々がここに暮らしてきたのです。

稲作が始まると、人々の生活の中心は田んぼのある低地に移っていきました。丘陵には神社やお寺が建てられるようになり(現在あわせて114カ所)、薪や炭、それに肥料となる落ち葉を手に入れるために、コナラやクヌギなどの落葉広葉樹が大切にされ、さまざまな落葉広葉樹で構成された雑木林にかわっていきました。
雑木林は人が手をくわえてなりたっている林です。スギやヒノキの林とくらべ、地表面にさまざまな草花や低木が育ち、動植物が多く息づくのです。

1920年代から1930年代にかけて、東京都心に水を送るための水がめ、多摩湖、狭山湖がつくられました。沢ぞいの平地は水底に沈み、住んでいた人たちは土地を立ち退きました。狭山丘陵の自然も大きなダメージを受けました。しかし、いまこの湖は水鳥の憩いの場となり、また水辺の林は、水源かん養林や鳥獣保護区として厳重に保護されているため、丘陵の豊かな自然の中核となっています。

このように、里山の景色は人々が自給自足の農業を営むなかで、自然との様々なかかわりの中から作りあげられてきたものです。二次林ではありますが、約10,000年以上におよぶ縄文時代以来の日本人の生活の歴史と共に生きてきた歴史遺産・文化遺産として、いま新しい価値を見出されています。

狭山丘陵には、人がかかわることで生まれた畑や田んぼ、そしてそのまわりの雑木林が昔ながらの姿で残っています。
メダカやホタル、アカトンボなどなつかしい生きものたちが生息し、子どもたちが生きものと身近に触れあい、豊かな自然体験をすることができる環境がまだたくさん残されています。

狭山丘陵いきものふれあいの里とは

「狭山丘陵いきものふれあいの里」は、狭山丘陵の身近な自然とのふれあいを通して、自然の大切さや自然と人との関わりなどを考えるために整備された、所沢市域約1000haの自然のエリアです。

そのエリアの中に、所沢市荒幡(あらはた)にあるいきものふれあいの里センターを中心としたセンターエリアのほか、テーマをもつ5カ所のスポットがあります。また、東西約13㎞に連絡歩道があり、指導標(道しるべ)にしたがってそれぞれをめぐることができます。

いきものふれあいの里は、この狭山丘陵の身近な自然とのふれあいを通して、自然の大切さや、自然と人との関わりなどを考える場所です。

センターエリア

「狭山丘陵いきものふれあいの里センター」は、いきものふれあいの里の中心施設として、みなさんが狭山丘陵の自然について学習し、理解を深めていただくためにつくられました。

そのセンターには、展示室、観察バルコニー、講義室などの施設のほか、野外には炭焼きがまを併設しています。また、定期的に自然観察会も開催しています。自然情報や、ご案内については、お気軽にセンタースタッフにお声がけ下さい。

各スポットについて

スポット1:水鳥の楽園

スポット1と指定されている狭山湖畔は、冬季には水鳥たちの越冬地となる場所です。
また、春には狭山丘陵周辺では少なくなってしまったヒバリ(所沢市の鳥)が観察できますし、秋には周辺の草むらでたくさんのコオロギたちの声を聞くことが出来ます。
サクラの名所としても有名です。

西武狭山線西武球場前駅から徒歩15分

スポット2:虫たちの森

コナラやクヌギなどの雑木林は、炭や薪を得るために古くから人々によって作られてきた林です。また、その落ち葉は堆肥を作る上でなくてはならないものでした。下草刈りや落ち葉はき、15年から20年ごとの伐採などによって雑木林は維持されています。ここ虫たちの森では、今なお昔の雑木林の景観を身近に見ることが出来ます。そしてそこには、カブトムシをはじめとした甲虫たちのような雑木林の生きものが暮らしています。

西武狭山線西武球場前駅から徒歩25分

スポット3:湿生植物の里

狭山丘陵周辺には谷戸の湧水に由来する湿地や、狭山湖、多摩湖の岸辺の小規模な湿地が見られます。
これらの多くはかつて水田として利用されていましたが、現在ではほとんど放棄されて植生が変化しつつあります、このような湿地では様々な湿性植物が見られる他、トウキョウサンショウウオや水生昆虫、コサギなどの鳥たちにとっても大切な生息環境になっています。

西武池袋線小手指駅南口からバスで15分「早稲田大学バス停」下車

スポット4:雑木の森

人の作った森には様々なタイプがあります。雑木林、植林、屋敷林や社寺林など。また、雑木林一つをとっても、それがある場所や手入れの度合いによって様子が違います。
雑木の森では、様々なタイプの林を見ることが出来ます。また、それぞれの森で生えている植物も違いますので、是非見比べてみてくださいね。

西武線所沢駅西口からバスで6分「水天宮下バス停」下車

スポット5:蝶の森

蝶の幼虫は食べられるものがそれぞれ決まっています。成虫も種類によって利用する空間がだいたい決まっています。
つまりはいろいろな蝶が暮らしていくためには、いろいろな環境が必要なのです、雑木林の中の様々な環境はそんな蝶たちに豊かな生活空間を提供します。また、蝶たちが他の場所へ移動するためには連続した緑地が大切です。

西武線所沢駅西口からバスで5分「将軍塚下バス停」下車

狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています