明後日は処暑ですが、暑さはおさまる気配がありません。
そんな中、ちょっぴり涼しげなツリガナニンジンの花や、センニンソウの花が咲いています。
セミの声も相変わらずにぎやかですが、ジャコウアゲハの幼虫や、クロウリハムシも食欲旺盛で、元気なところを見せてくれていました。
少し翅の傷んだコジャノメが木陰にいたり、ペアのキチョウが食草のハイメドハギのそばで見られたりもしました。
熱中症に注意して森を歩けばいろんな出会いがありますよ。
(所沢市HPふれ里だより平成26年8月号」より
冷夏の予報もありましたが、今年も猛暑。ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミに続き、夏の終わりが近づいたと知らせるようなツクツクボウシが、今年は7月中に鳴き始めました。
やはり夏は虫が主役と言えそうですが、もちろん野鳥たちも元気に暮らしています。
8月には、野鳥たちは子育てを終え、さえずりもあまり聞かれなくなります。ハシブトガラス、ヒヨドリ、シジュウカラなどは1年中センター周辺にいますが、一番暑い頃シジュウカラのけはいがフッと無くなる期間があります。涼を求めて少し移動しているのかもしれません。
ジュウカラは日本全国ほぼ何処にでもいて、平地から山地の林に棲んでいますが、市街地や住宅地などでも見かける野鳥で、都市の生態系がバランス良く機能しているかのバロメーターにもなると言われています。
人をあまり恐れず、石垣の隙間や伏せた植木鉢に巣を作ることもあります。1年間に虫を10万匹食べるとも言われ、森を薬剤なしで虫から守る役割を担っているとされます。
シジュウカラの名前の由来は、鳴き声を「シジウ」と表したと言われます。また、たくさん群れているからとか、スズメ(雀)40羽に対してシジュウカラ(四十雀)1羽という交換条件があったからなどの説もあります。
8月頃までは成鳥に比べ色が淡く、特徴である胸の黒いネクタイもぼやけている、今年生まれの若鳥たちで群れをつくっています。ネクタイが太いものがオスで、頬の白い部分が大きくはっきりしているものが男前らしく、さえずりながらオスはしきりに雌に頬をアピールするようです。
春を告げる鳥と言えばウグイスを思い浮かべますが、シジュウカラは時には12月からさえずりの練習をはじめ、いち早く春を告げます。春夏秋冬気が付けばそこにいる、身近な友です。
8月も半ばを過ぎると、夜に聞こえてくるのは、セミの声からエンマコオロギなど鳴く虫たちの声に変わります。
8月11日は、月と地球が接近する時と満月が重なるスーパームーン。今年最大の満月です。18日の明け方は東の空では木星と金星が大接近。月の側にはすばる。日の出は5時頃ですから早起きをして観てみて下さい。やぶなどでは前日の夕方に開き始めたカラスウリの白いレースのような花がまだしぼまずにいます。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
8月7日は立秋。クサギの甘い香りを運んでくる風が、ふと秋を感じさせてくれることもあるでしょう。またシジュウカラの声も聞かれるようになり、下旬ともなれば親も群れに加わり、冬はほかのカラ類たちなどと混群をつくります。少しずつ虫たちから鳥たちへと森の主役は変わっていきます。
強い日差しの下ツルボがピンクの花を咲かせ、ナンバンギセルやユウガギク。初秋の訪れを感じさせる花たちが咲き始めます。9月にかけチョウの姿も多く目にするようになり、次第に秋が目に見えるようになっていくことでしょう。
シジュウカラ |
カラスウリ |
ツルボ |
日差しはほとんどなかったものの蒸し暑い1日でしたが、午後3時ころから少しひんやりした風が吹き始めました。
ヒグラシが鳴き始めたなと思ったら雨も降り始めました。
それまでは、ヒメキマダラセセリがカラスウリの葉の上で翅を休めていたり、マメコガネがせっせと葉を食べていたりしました。
ウマノスズクサの葉にはまだ小さなジャコウアゲハの幼虫が、ヤブヘビイチゴの実も良く見るとお客さんがいたようです。
よく出会うのはヤマトシジミですが、チョウの数も増えてきたようです。
少しずつ秋の気配が見つかるようになってきました。
今日も蒸し暑い1日でした。
林内ではヤブミョウガが、涼しげに咲いています。
今年はコブシの実がたくさん実っていますが、アカスジキンカメムシの幼虫が吸汁し、エゴノキの実にはエゴヒゲナガゾウムシが来ていました。
キツネノマゴが可愛い花を咲かせ、人にはあまり好かれないことが多いヤブカラシはアリたちでにぎわっていました。
暑いとは言ってもやはり林内を渡る風は心地よいですよ。