2018年2月18日(日)狭山丘陵自然観察会『コケ観察入門』

イベント報告

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【行事報告】狭山丘陵自然観察会『コケ観察入門』
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↓コスギゴケ

〔1〕行事概要
日本蘚苔類学会会員の福地朝男さんを講師にお迎えし、コケに
ついてのお話をしていただいた後、ルーペを片手に荒幡富士周辺
のコケを観察し、身近にあるコケに親しんでもらう。

↓講義風景①

〔2〕開催日時:2018年2月18日(日)9:30~12:30

↓講義風景②

〔3〕活動場所:センターエリアの荒幡富士周辺

↓ハマキゴケ(霧吹き後)

↓梅の木ついているコケを同定(ヒナノハイゴケ他)

〔4〕観察結果  下記15種類のコケを観察しました

(整理№)(コケ名) (科 名)      (場 所)
1、ノミハニワゴケ… シノブゴケ科…     切株
2、ヒロハツヤゴケ… ツヤゴケ科…      ソメイヨシノ
3、コツボゴケ…   ツルチョウチンゴケ科… 東広場の土の上
4、タチヒダゴケ…  タチヒダゴケ科…    梅の木
5、ヒナノハイゴケ… ヒナノハイゴケ科…   梅の木
6、サヤゴケ…     ヒナノハイゴケ科… ソメイヨシノ
7、コモチイトゴケ…  ナガアシゴケ科… ソメイヨシノ
8、ギンゴケ…     ハリガネゴケ科… 荒幡富士参道
9、ハマキゴケ     センボンゴケ科…  同上
10、チュウゴクネジクチゴケ…  センボンゴケ科…  同上
11、キャラボクゴケ…  ホウオウゴケ科…  荒小方面鳥居下
12、ハイゴケ…     ハイゴケ科…    枝垂れ桜根元
13、チジレゴケ…     ギボウシゴケ科… 荒幡富士広場柵
14、ハチジレゴケ…    ギボウシゴケ科… 同上
15、コスギゴケ…     スギゴケ科…  石仏広場の盛土上

↓ハイゴケを観察している

↓ハチヂレゴケ(コンクリートの柵の上)…朔(さく)がひらいている

〔5〕エピソードと全体の評価

・遠方も含めて20名を超える参加者があり、コケ観察に
潜在的需要が高いと感じた。
・コケの観察場所は狭いところが多いため、参加者23名
が一斉に観察するのは難しいところがあった。
・センター担当の設定ミスで、講師の説明が聞き取りにくい
ところがあった。
・参加者はみな関心が高く、熱心に聞き入り、拡大で見る
コケの姿に魅了されていた。
・参加者の満足度は高いと感じた。

↓チヂレゴケ(コンクリート製の柵の上)

↓コケの葉(中肋)の特長について解説

同じ場所で、またコケの観察会をやってほしいと言う要望が複数ありました。

以 上
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2017年12月23日(祝)町の夜空の星観望

イベント報告

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2017年12月23日(祝)自然観察会「町の夜空の星観望」の報告
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↓埼玉県立所沢高校の屋上で夕暮れの風景を観察

(1)開催日時 2017年12月23日(祝) 16時30分~19時

(2)参加者  計12名(子供:4名)

↓最初に室内で星空について正田先生が解説。

その後、小型のプラネタリウムを使って所沢高校地学部の学生さんが星空の解説。

(3)屋上に上がって星空の観察。

↓薄い雲が段々広がってきて星空を観察するには厳しくなってきた。

↓その中でも月が何とか見れた

(4)室内に戻って月と太陽系の解説
↓月について解説。

↓太陽系の惑星の大きさや距離などについて解説


(5)銀河系と宇宙について解説。

・時間の経過に伴って、だんだん雲が厚くなり、完全に星空が見えなく

なってしまいました。星空の観察が難しくなったため、銀河系と宇宙に

ついて、講師の正田先生に解説してもらいました。
↓銀河系と宇宙についての解説

↓写真やステラナビゲーターを使って解説して頂きました。

(6)後記
・今回、最初は何とか星空が見えていましたが、観察会開始ごろから

だんだん薄雲が広がり、その後空一面が厚い雲になってしまいました。

その中で、月やカペラや夏の大三角形が辛うじて見れました。また、

講師の正田先生が銀河系と宇宙の解説を分かりやすくしてもらいました。

以 上
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3月の行事案内です。
【沢山のご応募ありがとうございました】

Event

 

 

2018年01月27日(土)狭山湖周辺の野鳥と植物

イベント報告

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2018年01月27日(土)自然観察会「狭山湖周辺の野鳥と植物」の報告
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↓西武球場前駅前で「ものさし鳥」を確認

(1)開催日時 2018年1月27日(土) 9時30分~14時

(2)総参加者  計18名(含スタッフ6)
参加者(12)+センター担当(2)+いきふれボランテイア(4)

↓深い雪が残るスポット2の森の斜面の前で、引き返す。

(3)ルートと時間
・ 9時00分 西武球場前駅前(集合)
・10時20分 スポット2観察
・11時40分 狭山湖堰堤下斜面(昼食25分)
・12時30分 狭山湖左岸で観察(東屋付近)
・13時30分 狭山湖右岸(まとめ)
・13時50時 西武球場前駅(アンケート・解散)

↓冬鳥として渡来しているシロハラ

↓尾を振って歩くハクセキレイ

(4)野鳥観察結果
計(27)=野鳥(21)+水鳥( 6)

↓風の吹かない一画を探し、昼食をとる

(5)エピソード
・24日夜降った雪が連日の低気温で溶けないため、スポット2では
森の斜面の手前で引き返し、下の道路を経由して堰堤下にたどりついた。
・狭山湖の堰堤の上下で風が強いため、斜面中段でササの刈残した
側に風の吹かない一画を見つけ、昼食を摂った。

↓狭山湖堰堤の手前で、枝にとまっているシメを見ている。

↓アセビ(馬酔木)の花


・水鳥類は狭山湖左岸側に集まっていた。
・狭山湖右岸東屋は冷たい風が吹きすさび、座るのもつらいため、
観察結果の確認(鳥合わせ)を、右岸トイレ前の路上で、立った
まま行った。

↓狭山湖堰堤左岸の東屋前で水鳥を探す

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

↓カンムリカイツブリの群れが沖合で漁をしている

(6)スタッフのふりかえり
・雪道の転倒も無く、安全に観察会を終了できた。
・観察会の雰囲気が良いと、参加者も楽しんでいた。
・観察会として雪とのコントラストが良かった。
・想像したよりたくさん野鳥が出て、参加者も喜んでいた。
・望遠鏡で水鳥が立体的に見えてよかった。

↓冷たい風を避け、立ったままで観察結果(鳥合わせ)を確認

以 上
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2017年10月15日(日) 狭山丘陵のなりたちと地層 

イベント報告

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〔行事報告〕狭山丘陵自然観察会「狭山丘陵の成り立ちと地質」
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(1)日時:2017年10月15日(日) 9:30~14:30

↓下山口駅前でイベントあいさつ

(2)行事概要
講師に所沢高校の正田浩司先生をお招きし、狭山丘陵の成り立ち、
地形と地質について、下山口駅からセンターを経て所沢高校へ至る
コースを歩き、ローム層や礫層の観察をし、午後は所沢高校で関東
ローム層の中に含まれる鉱物を顕微鏡で観察する。

↓柳瀬川に旧多摩川が流れて河岸段丘を巨大化させた

(3)参加者 8名=2(男性)+6(女性)
…雨天のため、当日キャンセル3名が発生

↓擁壁付近で露頭の中の芋窪礫層を確認

(4)観察ルートと実施内容

・午前の部(930~12時)
下山口駅前集合~柳瀬川~芋窪礫層の露頭~いきものふれあいの里センター
~吾妻公民館付近露頭~永源寺裏段丘崖~所沢高校到着・昼食

↓吾妻公民館付近の露頭で、芋窪礫層を確認

↓永源寺裏で段丘崖を確認

・午後の部(12時30分~14時30分)
観察地層解説(ppt)~地層成分の洗い出し
~顕微鏡で鉱物粒子等を観察する。

↓高速洗浄装置を利用して地層サンプルを洗う

(5)行事結果とふりかえり

① 狭山丘陵の地層と成り立ち等についての参加者の関心の高さに
応えた内容で、参加者は8名と少ないものの、狭山丘陵の成り
立ちが良く分かった等、結果は概ね好評であった。

↓洗浄後の試料(透明の粒子)


② 午前の露頭の観察巡りと、午後の地層内鉱物の顕微鏡観察との
組合せが好評だった。
③ 参加者の満足な様子を見て、雨天でも実施してよかったと感じた。

↓顕微鏡で試料(東京礫層)を除く

以 上
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2018年1月25日(水) 1月のいきふれ巡回sp4、5の報告 

いきふれの会

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■2018年01月25日(木)巡回スポット5~4~センター
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大雪から三日後、スポット5~4~センターまでの巡回を
2名で実施しました。

↓将軍塚入口(バス停付近)

【巡回時間と内容】
・ 9時50分 将軍塚バス停より巡回開始、
……将軍塚でのベンチの雪を払う(↓)

↓鳩峰神社の参道

・10時50分 sp4エリア・鳩峰八幡神社到着、ベンチの雪を払う
・11時25分 トトロの2号地のベンチとテーブルの雪を払う
・11時40分 センター到着・報告・解散

【巡回時の状況】
・降雪後だったが、倒木や大きな落枝等は、見当らなかった。
・冷え込んだ日だったので、凍った道にも注意が必要だった。
・雪が溶けた後のぬかるみにも、注意が必要だった。

↓トトロの2号地周辺の降雪。下はテーブルの雪除去後

【自然観察情報】
・将軍塚付近では、小鳥がよく飛び交っていた。
(シジュウカラ・ヒヨドリ・コゲラ)
・久米水天宮裏では、キセキレイを見た。
・ニワトコの冬芽がふくらんでいた。

↓アキニレの葉痕がかわいい(将軍塚付近で)

【ふりかえり・その他】
・思ったより多くの人が歩いているようで、雪が降っても
散策路は人々の活動の場所になっていると思った。
・ゴミは見当たらなかったが、ベンチ・卓テ―ブルの除雪には、
トング(ゴミ挟み)が有効だった。

↓荒幡富士の降雪。センター迄あと100m

以 上
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2018年1月21日(日) いきふれ全体会議⑤と作業会報告について 

いきふれの会

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〔報告書〕第5回いきふれ全体会議の結果について
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標記について下記のとおり報告します。

(1)会議名:2017年度 第5回いきふれ会全体会議
(2)日 時:2018年1月21日(日)9時30~10時30分
(3)場 所:狭山丘陵いきものふれあいの里センター講義室
(4)出席者:11名=センター2名+いきふれ会9名

↓会議風景①…開始直後


(5)内容:
①連絡事項…スポット2のトイレ設置情報や、センターエリアの伐採状況
②最近の活動のふりかえり…記述省略

↓会議風景②スポット地の巡回報告(画像は狭山湖の水鳥の様子)


③当面2か月のスケジュール調整結果
・1月25日(木)いきふれ巡回SP5,4
……将軍塚バス停10時集合
・2月18(日)コケの観察会
・2月25(日)ひよこ探検隊
・2月未定  運営協議会
・2月巡回日程別途提示
・3月11日(日)いきふれ全体会議⑥・作業
……集合9時30分講義室
・3月24(土)自然観察会〔いきふれ会スタッフ募集中〕

以上会議報告
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(6)作業会(10時30分~11時20分)

↓作業風景①…シラカシの階段から落葉をはき落とす

↓作業風景②…階段途中での落葉はきの様子


・シラカシの階段の落葉をはいて茶畑にすき込む。

↓作業風景③…作業終了後。階段下、お茶畑前で集合写真

・いきふれ会(9名)+センター(1名)=計10名で実施。

・この翌朝20cmを超える大雪が降り、しばらく溶けませんでした。

以 上
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春風誘うフキ(所沢市HP「ふれあいの里だより平成30年2月号」より

いきふれ自然情報

 

本当に寒い冬となりました。日本各地で数年に1度の大雪が降り、狭山丘陵も1週間以上雪景色が続きました。

暦の上では立春、そして雨水と春を迎える2月です。雪の下からは蕗の薹も顔をのぞかせ始めています。

蕗の薹は、早春の代表と言える山菜として、古くから日本人に親しまれてきましたが、これはフキの若い花芽です。

フキは岩手県以南の本州、四国、九州、沖縄の山野に生えるキク科の多年草です。日本以外では朝鮮半島、中国に分布しています。雌雄異株で、地下茎を伸ばして増え、葉は花が咲いた後に地下茎の先から出ます。

花期は2月下旬から5月。雄株の頭花は黄白色で筒状の両性花ですが結実しません。雌株の頭花は白っぽく見え、雄花と同じ形の両性花が数個混じりますが、これは花粉ができません。

フキの名前の由来の一説に、冬に黄色い花を咲かせる、『ふゆ』『き』からついたというものがありますが、これは一面に広がった雄株のことでしょう。

古名は『フフキ』で、春一番に芽吹くからとか、葉が大きく少しの風にも揺れるからなどの他に、用を足した後に葉で拭いたからなど、これも諸説あります。

学名はPetasites japonicusで、Petasitesはギリシャ語のつば広の帽子(petatos)が語源とされ、葉が広く大きいことからきています。

雌株は花が咲いた後高さ45cmくらいに伸びタンポポの綿毛のような種子を風に飛ばします。

ほろ苦い早春の味、蕗の薹の季節が終わっても、葉柄はきゃらぶきや煮物に、葉身はつくだ煮などにされるほか、咳止めや去痰などの民間薬にも利用されます。

フキの変種で葉が大きいアキタブキは北海道、秋田、岩手県以北の本州、千島、樺太に分布し蕗の薹も大きく、栽培もされています。北海道足寄町の螺湾川に沿って分布するアキタブキは日本一大きく、高さ2メートルから3メートル、茎の直径10センチメートルにもなり『螺湾ブキ』として北海道遺産に指定されています。こちらも町の地域特産物として栽培され羊羹、漬物,カレー、石鹸など様々な加工品が作られています。

アイヌ伝承に登場する小人コロポックルは『フキの葉の下の人』という意味とされますが、螺湾ブキなら普通に人がすっぽり下に入れます

  明日よりは春菜(はるな・わかな)摘(つ)まむと、標(し)めし野に、昨日も今日も雪は降りつつ

万葉集にある山部赤人の歌ですが、春の七草など早春の野に芽吹く食用になる草本を総称して春菜(はるなまたはわかな)と呼んでいて蕗の薹も含まれていたと言われます。春菜を摘もうとしていたのに降り続く雪…。春を待つ心は今も昔も変わらずといったところでしょうか。

冬鳥として渡って来たジョウビタキもまだまだ見られますが、繁殖期がほかの鳥より早いモズやエナガはさえずりを始めています。香りに誘われて見回すと梅の花を見付けることも増えてくる頃です。日だまりで翅を広げる成虫越冬したチョウに出会えるのもそう遠くはないでしょう。

 蕗の薹


フキの雄花

ジョウビタキの雄

白梅

狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています