クサカゲロウ吉兆のきざし?!~ふれあいの里だより令和5年1月号~
これまでの努力が実を結び、勢い良く成長し飛躍する年と言われる癸卯(みずのとう)年のスタート。別名としてウサギカクシ呼ばれるのはツクバネウツギ、コウヤボウキ。どちらも低木で小枝が多くウサギが逃げ込めば見つけにくいだろうということから名前がついたとされます。
ウサギは元来雑食で昆虫なども食べるとか。冬は虫もなかなか見つかりませんが、意外なところで出あうのがクサカゲロウの仲間です。
クサカゲロウに属する昆虫は日本に約40種います。一般的によく見かけるものにヤマトクサカゲロウ、カオマダラクサカゲロウ、アミメクサカゲロウなどがいますが、どれも緑色の体とレース編みのような透けた翅を持ち、緑色がかった金色の目をしています。このことから英名は『Green lacewing』や、『Golden eye』と付いています。和名は『臭蜻蛉』、『草蜻蛉』で、ふれられると臭いを発するからと言われますが、実際に臭いを発するのは数種類しかいないことが近年わかっています。草色をしているところからの方が説得力がありそうです。日本にいるクサカゲロウ科最大種はアミメクサカゲロウで翅を広げると44mmから52mm、ヤマトクサカゲロウは22mmから29mm。カオマダラクサカゲロウは26mm程度です。翅の斑紋や顔で区別しますが、今回は共通する点に目を向けたいと思います。
蜻蛉と聞くといかにも儚げですが、水辺に生息するカゲロウ目とはかなり遠縁になりアミメカゲロウ目のクサカゲロウの成虫は4月から10月頃を中心に発生し、夜行性で民家や街灯の明かりに集ります。卵から数えて3ヶ月から4ヶ月の寿命があり、成虫越冬をする者もいます。この成虫越冬している個体に屋内であったり、屋外の陽だまりであったり思いもかけず出会って「冬でもいるんだ。」と驚かされます。ヤマトクサカゲロウの越冬個体は体色が赤褐色から褐色になるものがいますが他の成虫は冬に鮮やかな緑が目立ちます。
細長い糸状の卵柄を持った1mm程度の卵は木の枝や葉に、時には人工物などにも10個から60個産み付けられますが、これは3000年に1度如来が来るとともに咲くと言われる優曇華になぞらえて「うどんげ」とも呼ばれます。神秘的な卵の期間は3日ほど、幼虫は獰猛な肉食でアブラムシなどを食べそれもかなりの大食漢なので、生物農薬として利用されることもあります。儚げな成虫は花粉やアブラムシの甘露を主食としますが、カイガラムシやアブラムシを食べる種もいます。
完全変態をするクサカゲロウ。あまり活発に動くことはないので見かけたらそっと近づいてその繊細な姿を観察してみてください。
野鳥たちが一番身近な存在に感じられる季節です。冬越しの姿は単独であったり群れであったり種によってそれぞれ違いますが、餌が少なくなった寒い季節を懸命に生きています。
今年はセンターエリアではセンリョウが増えましたが、別名を百両というカラタチバナは激減しました。春先まで残りがちなマンリョウの実も野鳥たちがついばみ始めています。
ウメの便りが聞かれ始める1月は、光の春を実感できる日も多いことでしょう。これからが本番を迎える冬の寒さですが、夜空は明るい星が多くにぎやかです。元旦の日没直後は12月に続き月も仲間入りした惑星パレードがみられます。3日の夕方から4日の未明にかけては月齢11の月と火星が大接近します。31日の夕方から2月1日の未明にかけては月齢10の月と火星が接近して見えます。枕草子では冬は早朝が良いと記されていますが今月は夕方から未明にかけての空が面白そうです。
クサカゲロウの仲間 |