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日本最大!ショウリョウバッタ~ふれあいの里だより令和5年8月号~

7月から猛暑日の連続で危険な暑さの毎日ですが、子供たちは夏休み。大人もお盆には長い休暇を取られる方も多いことでしょう。

旧盆のころ姿を見せ、精霊流しの船に似ていることから名前が付いたといわれるのがショウリョウバッタ(精霊蝗虫)です。

ショウリョウバッタは日本全国の平地から丘陵地の明るい草原などに生息し、住宅地周辺でも見られます。オスは細身で4センチメートルから5センチメートルですが、メスは8センチメートル以上にもなる日本最大のバッタです。緑色型と褐色型のほか複合型のものがいて、斜め上に尖った頭部が特徴です。この形が船の形に見える要因の一つでしょう。  オスは「キチキチキチ」と前後の翅をすり合わせて音をたてて飛び、このことからキチキチバッタと呼ばれます。飛翔能力は高く、軽く10メートルほど飛びます。体の大きなメスはあまり飛ばず、大きな後ろ足で力強くジャンプします。メスの後ろ足を捕まえると体を大きく上下に動かしその動きが米をついているようだとしてコメツキバッタと呼ばれます。雌雄で倍ほど大きさが違い、それぞれに別名があるのも特徴的です。オスとメスが『天と地ほども違う』という意味の霄壤(しょうじょう)から霄壤バッタの別名もあります。

ショウリョウバッタは都市部の公園や芝生、河川敷などにも生息し、比較的よく見られるバッタです。イネ科の植物の葉を食べ、卵で越冬します。産卵の時に腹ごと地中に差し込むことも特徴の一つです。

同じように三角の頭をしているバッタにオンブバッタがいますがショウリョウバッタより小型でずんぐりしています。下でおんぶをしている大きい方がメスですが、それでもショウリョウバッタのオスより小さいです。ショウリョウバッタモドキも三角の頭ですがやはり小型で頭が小さく、足もそれほど発達せずに体に沿っていてススキの葉などにとまると見事に擬態します。背中が褐色であるのも見分けるポイントです。

草の中から鳴きながら飛べばショウリョウバッタのオス。圧倒的大きさでドスンドスンとジャンプしたらショウリョウバッタのメスです。

今年は晩夏に鳴き始めるツクツクボウシが7月からためらいがちに鳴いていますが8日が『立秋』で、暦の上では秋となります。換羽の最中で静かにしていた野鳥たちにも変化が出始めます。留鳥のシジュウカラは2回目の繁殖を終え1回目に繁殖した若鳥たちが作っている群れに合流します。渡り鳥のツバメなどは越冬地へと移動し始めます。次第に目にするチョウの姿も増えてきます。昼間の樹液には相変わらず多くのカナブンに混ざり小さな虫たちのほか、スズメバチの仲間も訪れています。スズメバチたちはこれからが活動のピークになります。

クサギの香りが夏中風に乗って漂っていましたが、7月から咲いていたユウガギクに続きカントウヨメナやセンニンソウも咲き始めます。夜もにぎやかだったセミの声からコオロギの仲間たちの声が主役となってきます。

今年は8月22日が旧暦の7月7日、伝統的七夕です。8月2日は満月、30日深夜から31日にかけては今月2度目の満月でブルームーンと呼ばれます。また今年最も大きく見える満月ということでスーパームーンとも呼ばれます。毎年夏休み中でもあり話題になる三大流星群の一つペルセウス座流星群。今年は13日にピークを迎えます。観察シーズン迎えた土星は3日と30日に月の近くで輝きます。次第に早くなってきている日の入り。夜は少しずつしのぎやすくなってくることでしょう。

ショウリョウバッタ

 カナブン

    センニンソウ

 



狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています