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いきふれ通信できましたvol,63(2023年秋号)3か月先のイベント情報掲載

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狭山丘陵の情報発信基地であるいきものふれあいの里センターでは、年に4回程度『いきふれ通信』を発行しています。

詳しくは、当センターHPでご確認をお願いたします。

9/9 各管理地とも作業済み

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ツマグロヒョウモン北へ~ふれあいの里だより令和5年9月号~

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毎年のように記録を塗り替えていく夏の暑さ。今年都心は8月中最高気温が30℃を下回る日はなくこれは観測史上初めてで、真夏日は7月6日から継続中です。

温暖化の影響は様々ありますが、南西諸島、九州、四国、本州で見られるツマグロヒョウモンは生息域を北へ北へと広げています。

ツマグロヒョウモンは前翅長が38ミリから45ミリほどのタテハチョウ科のチョウで、平地の草原や庭、道端など身近な場所で見られます。ほかのヒョウモンチョウ類はほとんど年1回の発生なのに対し、4月から11月ころの間に4回から5回発生します。主に幼虫で冬を越し、冬の間も餌となるスミレの仲間の葉を食べ続けます。幼虫で冬を越すチョウはほかにもいますが通常何も食べません。食草はスミレの仲間でパンジーなど園芸種も食べます。街中でも冬に公園の花壇や庭などでパンジーなどの花が見られ、餌には困りません。

本来南方系のチョウで、1980年代までは近畿地方以西でしか見られなかったのが、1990年代以降東海から関東地方南部、富山県、新潟県の平野部で見られるようになり、2002年には関東北部で目撃報告されました。2006年には関東北部でもほぼ定着、2000年代の後半から2010年代にかけて東北地方でも目撃例が相次ぎ、現在では東北地方南部でも定着しているようです。

もともと移動性が高く、迷蝶として北海道で記録されたこともありますが、温暖化もさることながらパンジーやビオラなどが冬の花壇を彩るようになり、分布を北へと広げた可能性があります。

ツマグロヒョウモンは名前が示す通り、翅の端が黒いところが特徴です。オスはほかのヒョウモンチョウと見分けがつきにくいのですが、後翅の端が黒いので見分けがつきます。メスの前翅は特に特徴的で、黒い部分が広範囲にあり、これは体内に毒をもっているカバマダラに擬態しているといわれます。そのため敵に襲われないと思ってか飛翔は緩やかです。ただこのカバマダラは南西諸島の南部より南の地域のみで見られ、現在では分布を北上させたとは言え九州南部までなので、この辺りでは擬態の意味をなしていません。

8月下旬から9月にかけチョウの個体数が増えてきます。ツマグロヒョウモンも例外ではありません。冬には花壇で黒くて背にオレンジの線が入り、体中に突起のある幼虫に出会うかもしれません。いかにも毒を持っていそうに見えますが、触っても危険はありませんのでご安心ください。

スーパーブルームーンが見られた8月ですが、今月は月見る月はこの月の月と詠まれた旧暦の8月です。今年は9月29日が『中秋の名月』、十五夜。満月と十五夜は必ずしも一致しませんが、今年も3年連続で一致します。埼玉県の日の入りは17時29分、月の出は17時33分。満月の瞬間は19時ころなのでちょうど見やすい位置に昇ってきた月が満月です。ちなみに次に満月と十五夜が一致するのは2030年です。

4日の深夜から5日の未明にかけては月と木星が、27日には見ごろが続いている土星と月が接近します。金星は明けの明星として輝いています。未明には冬の代表的な星座オリオン座も昇ってきています。昼の空には秋の気配が見つかります。空が高くなったと思いませんか?

7月下旬から咲いているヌスビトハギに続き、ネコハギ、ハイメドハギも咲いています。ススキもお月見のころには穂を出します。ユウガギクに続きカントウヨメナ、シラヤマギクなど野菊の仲間たちが風に揺れ、夏の間は休眠していたタテハチョウの仲間も吸蜜に訪れます。

残暑はまだ続きそうですが、行く鳥に来る鳥と野鳥たちにも変化が訪れています。セミの声は静まりコオロギなど鳴く虫たちの声が多く聞かれるようになりました。生きものたちの動きが盛んになってくる9月です。

ツマグロヒョウモンのメス

 ツマグロヒョウモンのオス

    ネコハギ

 

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