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笹の葉さらさら~ふれあいの里だより令和7年7月号~

梅雨入りした途端に猛暑続き。降れば大雨と荒々しい天候に見舞われ、記録づくめで異常な暑さの6月が終わり7月へ。

7月7日は七夕。例年この頃はほとんどのところが梅雨のまっただ中。織姫(こと座のベガ)、彦星(わし座のアルタイル)、そしてはくちょう座のデネブ。この明るい星をつなげた三角が『夏の大三角』で、夜の9時ころ東の空で輝きます。今年の伝統的七夕は8月29日。この日は夜の9時ころには頭の真上近くで夏の大三角が見られます。空気の澄んだところですと天の川が織姫と彦星の間を流れているのが見えることでしょう。

星に願いを!願い事を書くのは5色の短冊で笹に飾り付けますが、笹って?竹との違いは?と思いませんか。笹も竹も総称ですが、最もわかりやすいと思われる違いは成長するとタケノコの皮が落ちるのが竹で、つけたままなのが笹と呼ばれ、普通竹の方が笹より大きくなります。そして七夕飾りに使うのはどちらでもいいとされます。風や雨にも力強くまっすぐに伸び、葉には殺菌効果があるところから神秘的な植物して扱われ、風にさらさらとなびく葉の音が、神様が宿る依り代と考えられたことから神事に用いられてきました。邪気を払ったり、清浄な場を作ったりするものとしてお盆の飾りにも使われます。盆踊りに笹を手にして踊る地方もあり、これは先祖の魂の依り代、目印として笹を持つとされます。

笹も竹も種類が多く、園芸品種も多数作られていますが、竹はほとんどが中国原産で、笹は中国原産のものもありますが日本在来のものが多くあります。また、竹には耐寒性がありませんが、笹にはあるので高い山や北海道などでも見られます。

竹や笹を食草とするチョウもいます。山地にいるヒメキマダラヒカゲのほか、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、クロヒカゲ、ヒメジャノメ、コジャノメ、コチャバネセセリ、オオチャバネセセリとこれらのチョウは狭山丘陵周辺で身近に見られます。

センターエリアではアズマネザサやクマザサが多くあるのでこれらを食べているのでしょう。

ガでは大発生すると葉をすべて食い荒らしてしまうタケノホソクロバ、黄色で大きなタケカレハの幼虫が食草とします。

葉のさやの下にはタケハダカカタカイガラムシが、葉の裏にはタケナガカイガラムシが寄生します。また、笹などにつくササコナフキツノアブラムシやササヒゲマダラアブラムシなどを幼虫が食べ、成虫はアブラムシの出す汁を吸うゴイシシジミもやってきます。

七夕を機会に星空を見上げることが増えるかもしれません。7月4日は水星が日の入り後、西の低空で見られます。夕方に見える水星として今年一番高い位置とはいえ、かなりの低空ではあります。日の出は早いですが14日の未明から明け方、東の空で金星とおうし座のアルデバランが接近して見えます。

今年は7月7日が小暑で、22日が大暑。暑中となりますが、6月中に夏本番を迎えたかのようです。花が少ない季節、ヤマユリが甘い香りとともに虫たちばかりでなく人も惹きつけます。アキアカネは避暑に行きますが、赤く成熟したリスアカネやコノシメトンボには出会えます。

にぎやかなシジュウカラの若鳥の群れはガの幼虫をついばみながら木々の枝を移動しているのかもしれません。

七夕にまつわる話はたくさんありますが、昼は笹や竹から生きものたちへ、夜は星々に思いをはせてみるのはいかがでしょう。

コチャバネセセリの幼虫

   ヤマユリ

        リスアカネの雄



狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています