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枯れ木に花⁈アトリ~ふれあいの里だより令和7年12月号~

残暑が長かったものの美しい紅葉が話題となった11月。日本列島に夏、秋、冬が同居することもありました。火事のニュースも多くありましたがいよいよ師走。寒さも本格的になっていくこれからの季節、ますます注意が必要ですね。

葉を落とした木々が増えていき、冬鳥たちもやってきてにぎやかさを増しました。野鳥観察に適した時季が始まっています。

センター周辺でもジョウビタキやルリビタキ、シロハラ、ツグミ、アオジと常連組に出会えるようになりました。

万葉集に1首詠まれているアトリも冬鳥としてシベリア方面から渡ってきて、低山地や平地の林、農耕地に生息します。

アトリはスズメより少し大きく全長16㎝、翼開長25.5㎝、体重24gほどで、オスは頭から背にかけてと翼と尾は黒っぽい紺色で、腰と腹は白色。飛ぶと腰の白が目立ちます。胸から肩は橙色味のある褐色。黄色いくちばしをしていて全体的に鮮やかな色彩をしています。冬は頭部が茶色っぽくなります。メスは全体的に淡い色彩で頭部は灰色味を帯びています。美しい色彩をしていることから花鶏と書いてアトリと読みますが、これは誤用ではないかとも言われています。

群れを作る性質が強く、大群を作る鳥という意味の集鳥(あつとり)から名前が付いたとされます。古くから多くの表記があり、大群で年末に渡ってくる小鳥を意味すると考えられる臘子鳥、獦子鳥、猟子鳥などのほか、万葉仮名では足取、阿等利と表記されています。

多く集まる年にも当たり年があるようで、2016年には栃木県鹿沼市に10万羽とも20万羽とも、あるいは100万羽とも言われた大群が飛来しました。日本書紀には天武紀の9年(西暦680年)の記述に臘子鳥(あとり)が天を覆って東南から西北に飛んだと記されています。

比較的西日本に多く、江戸時代には京都の嵯峨野に大群が飛来したという記録があり見物客が集まり茶店も出たとか。

万単位の群れは現代では10数年に1度程度ですが、千羽程度でも一斉に飛び立つと壮観です。

秋の季語にもなっているアトリ、渡ってきた頃は主にノイバラ、ニシキギ、ムクノキなど赤や黒の目立つ木の実のほか、ヌルデ、カエデ類、スギなどのあまり目立たない色の種子も食べます。やがて木の実が無くなると、農耕地などで草の種を食べるようになります。春先には木の芽や桜の花も食べます。

「キョッキョッ」という声をよく出し、飛びながらもこの声を出します。大群で鳴き交わすと耳を覆いたくなるかもしれません。

木の枝ではぶら下がったりしますが、地上では跳ね歩いて採餌します。一斉に飛び立って移動するので驚かされることもしばしばです。

大きな群れもやがて春先になると小群で生活するものが増えます。十数羽の群れでも葉を落とした木に止まっているとまるでアトリの木のようです。今年はセンターエリア周辺の実りが少ないようですが、出会えるでしょうか。

成虫越冬をするチョウたちにも穏やかな晴天の日には出会えることがあります。ヤツデやサザンカの花などにはアブやハエの仲間をはじめ、小さな昆虫たちが意外と見つかります。

秋の夜空で主役だった土星は南西の空に低くなってきました。冬の星座たちとともに東の空からは木星が昇ってきます。5日は今年最後の満月、7日には木星と近づきます。ふたご座流星群は14日~15日に活動のピークを迎えます。大晦日除夜の鐘が鳴る少し前頃から十二夜の明るい月がスバルのそばにあります。近くには『つりがねぼし』とも呼ばれるヒヤデス星団。月明かりで肉眼では見えないでしょうが心の目で見ながらの年越しはいかがでしょう。どうぞ良い年をお迎えくださいますように。

アトリ

   ノイバラ

  ヤツデに来たトリバガの仲間



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