木立の中で、リスアカネ~ふれあいの里だより令和7年8月号~
今年は8月7日が立秋、この日は月遅れの七夕が開催されるところもあります。暦の上では秋とは言え7月から続く猛暑・酷暑の中生きものたちを見かけるとほっとするような、応援したくなるような気持ちになります。
赤とんぼを代表するようなアキアカネが避暑から帰ってくると、秋の訪れを感じますが、赤とんぼというのは俗称で一般的に成熟すると赤くなるものをさします。分類学上ではアカネ属のトンボがこれに当たります。
夏の間も身近にいて赤くなるトンボの一つにリスアカネがいます。
リスアカネは北海道から九州まで広く分布し、平地から山地の周囲を樹林に囲まれた池沼に生息します。オスは成熟すると腹部のみが赤化します。
6月下旬ころから11月下旬ころまで成虫が見られ、7月ころから赤く成熟したものが見られます。アカネ属の中で最も薄暗い環境を好む種で、秋に岸辺の露出する池沼を好み、交尾後雌雄連結したまま池沼の岸辺や草原付近で空中から卵を振り落とす打空産卵をします。連結が途中で離れることがありますがしばらくはオスが近くで警護し、メスが単独で産卵を続けます。
卵で越冬し、翌春水が増えると水中で孵化します。幼虫の期間は3~5ヶ月程度で、成虫になってもあまり遠くへ移動することはなく羽化水域の近くの疎林などで昆虫類などを食べ成長します。
リスアカネという名前はスイスのトンボ学者Friedrich Risに由来するもので、動物のリスとは関係がありません。
北海道のものはわずかしかないか消失しているものの、翅の先端部分が茶褐色です。ほかにノシメトンボやコノシメトンボも同様な翅をしていますが、ノシメトンボは一回り大型でコノシメトンボは同等かやや大きく、それぞれ胸の中央付近の黒条で区別できます。ノシメトンボの黒条は太いまま上部に達しますが、リスアカネはわずかに届きません。届いても先の部分が細くなります。コノシメトンボは逆N字のようにつながる個体がほとんどです。
リスアカネの顔には眉のように見える眉状斑がありません。ノシメトンボにはある個体とない個体が混在し、コノシメトンボのメスには眉状班があります。
また、成熟したオスはノシメトンボはわずかに赤くなる程度でコノシメトンボは全身が赤くなるので区別が出来ます。ほかの赤とんぼにも共通しますが、メスでも赤くなるものがいてこれは寒冷地ほど多い傾向があります。
残暑が今年も長くなる予報ですが、少しずつ秋の気配が空にも植物にもそして様々な生きものたちに見つけられるようになってきます。
今年は伝統的七夕が8月29日とかなり遅めです。旧暦で行われていた七夕本来の星空が見られるころです。万葉集には130首を超える七夕に関連する歌がありほとんどが男女の恋の物語をイメージしています。
秋されば川霧立てる天の川 川に向き居て恋ふる夜ぞ多き
~巻十 柿本人麻呂~
12日は金星と木星が未明から明け方東の空で大接近し、宵から翌日明け方にかけては月と土星が接近。ペルセウス座流星群も極大となります。19日は水星が西方最大離角となり低いながらも見やすくなり、21日の日の出前には細い月と金星が接近します。翌日には月と水星が接近します。9日は満月、8月の満月はスタージョンムーンとも呼ばれます。スタージョンはチョウザメのことで北米の五大湖ではチョウザメ漁が最盛期となることからこう呼ばれるようになりました。上弦の月で始まった8月は31日も上弦の月で終わります。1日からは『スター・ウィーク~星空に親しむ週間~』です。
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