小さな体で大きなさえずり、セッカ~ふれあいの里だより令和7年9月号~
8月下旬になっても40℃を観測する地域があるなど異例の残暑はまだ続いています。
昼間の時間は短くなり空に秋の気配が見え始めて来る9月ですが、生きものたちの状況も気になります。
野鳥たちは夏の間は息をひそめているかのようでしたが換羽の時期を終えにぎやかになってきます。多くは繁殖期を終え渡りも始まりますが、セッカは9月まで繁殖期が続きます。
セッカは全長約12.5㎝、翼を広げると15.5㎝ほどのスズメより小さな野鳥です。本州以南の、水辺のアシ原や草原、ススキの原、高原などで繁殖します。北日本で繁殖するものは冬には暖かい地方へ移動します。
繁殖期は全体的に褐色で、下面は灰色がかっています。短くくさび型の尾には赤みが出てきて先は黒く、さらにその先端は白です。冬期は上面が黄褐色で、黒色の小さな斑紋があります。下面は淡褐色で、尾の先端は白です。広げると尾は扇状になります。
この小さく派手とは言えない鳥が目立つのは繁殖期で、冬季には見つけるのは難しくなります。体に似合わず大きな声で鳴きながら上昇の時には「ヒッヒッヒッヒッ」、下降の時には「チャッ チャッ」や「ジャッ ジャッ」と飛び回り、遠くへ移動するときも「ジャッ ジャッ」と間を置いて鳴きます。時には10分以上も鳴きながら飛び続けるといいます。さえずる目的がメスへのアピールや縄張り宣言というのはほかの野鳥たちと同じです。
セッカは長い繁殖期間に2~3回子育てをします。餌とするのは昆虫類やクモなどで、オスは繁殖期にアシやススキなどの草に平均6個程度の楕円形の巣を造ります。クモの糸を使い葉を縫い付け、チガヤやススキの穂の綿毛を巣材として運びます。これがまるで雪のように見えることから雪加と名前がついたという説があります。
外側を造りメスを誘い込み、メスが巣を気に入れば交尾をし巣の内装造りから子育てはメスだけで行います。オスは次のメスを誘い、メスも子育てが失敗しても成功しても次のオスとペアになります。
巣の位置が低いことから天敵のヘビやイタチに襲われることも多く営巣の成功率は低くなっています。
幼鳥は孵化後2週間ほどで巣立ち、巣立ち後約1ヶ月で性成熟するので、その年のうちに繁殖行動に参加することになります。
鳴きながらせわしなく飛び続けることからせっかちな鳥だということでセッカ、お腹の周りが雪のように白いから雪加、雪下と呼ばれるようになったという説などもあります。
草原などの繁殖地が減ってきているにもかかわらず個体数が減っているわけではないようです。天敵にも襲われながら懸命に生きているセッカです。
今年の十五夜は10月6日ですがススキはそろそろ穂を出します。クズは良い香りの花を咲かせています。イチモンジセセリを始めチョウの数はぐっと増えます。
満月は9月8日。この日、約3年ぶりに日本全国で皆既月食が観られます。日付が変わった1時26分頃から欠け始め3時12分頃に食の最大となり4時56分頃に食が終わります。赤銅色の満月が楽しみです。8日の宵から翌日の明け方にかけては月と土星が、20日の未明から明け方の東の低空では細い月と金星が接近します。虫の音とともに楽しめると良いですね。
セッカ |


