タヒバリ春の田に~ふれあいの里だより令和8年3月号~
2月に夏日を記録しましたが一気に春とはいかないようです。3月3日は満月で、ワームムーンと呼ばれます。春の気配を感じ虫たちが地中から這い出てくることに由来するネイティブアメリカンの呼び名ですが、今年の3月5日は二十四節気の『啓蟄(けいちつ)』で、冬ごもりをしていた虫や生きものが土の中から出てくるころとされ、共通点があって面白いです。今年は特に日付が近いです。
繁殖期を迎えた野鳥たちにとっては虫が出てくることは重要ポイントになります。多くの野鳥はヒナに昆虫を与えます。
春告げ鳥として知られるヒバリですが、本州以南に冬鳥として秋からやってきているのがタヒバリです。北海道では渡りの途中で見られます。
タヒバリはユーラシア大陸の中部・北部、北米大陸北部で繁殖し、大きさは全長16㎝、翼開長26㎝でスズメと同じくらいです。
漢字表記では『田雲雀』で、田や河川敷などにいてヒバリに似ているところから名前が付いたとされますが、ヒバリの仲間ではなく、セキレイの仲間です。尾を振りながら足を交互に出して歩くところはやはりセキレイの仲間だと思わせてくれます。
秋から春にかけて川原、農耕地、海岸、草地などで大抵10羽程度の群れで生活しています。草丈の低いところを歩きながら昆虫類、クモ類、草の種子などを食べます。褐色の草の間に1羽見つけると、周りに何羽も見つかり「あ、あそこにもいた!」と嬉しくなったりします。
波型を描いて飛び、高い枝にとまったりすることはあまりありません。
飛び立つときに細い声で「チィ」「ツィ」「ピィ」など1声ずつ区切るときと「ピピピッ」といった具合に2~4回連続させて鳴くときがあります。甲高い声で複雑にさえずるそうですが、日本では聞くことはできませんし、日本にいる間はヒバリのように高らかに歌いながら空高く舞い上がるようなこともしません。
雲雀は春の季語で、田雲雀は秋の季語となっていて、犬雲雀、畦雲雀、溝雲雀、川雲雀、土雲雀などいる場所などで多様な表現がされます。
木々の芽吹きや草本の花、植物の動きが早くなってきます。地面にも草の緑が見え始め、小さな花たちが顔をだしはじめています。冬の草原では保護色で目立たなかったタヒバリの姿がわかりやすくなります。田植え前の田ではまだ見つかりにくいかもしれません。春を楽しんでから初夏の足音に追い立てられるかのように日本を去り、繁殖地の東部シベリアや千島列島などに渡っていくタヒバリです。
初夏、山地の林縁や岩地、草地などでタヒバリに似た野鳥がさえずっていたら、これは一年中日本にいる同じセキレイ科のビンズイです。タヒバリも繁殖地で高らかに歌っていることでしょう。
暑さ寒さも彼岸までと言われますが今年は3月17日が彼岸の入り。桜前線は東京の3月16日ころをスタートに進んでいきそうです。
3月3日は皆既月食。お天気が気になるところです。8日ころには夕方の西の低空で土星と金星が大接近し、春分の日の20日には細い月と金星が西の低空で接近します。この日埼玉での日の出は5時46分、日の入りは17時53分です。26日の夕方から27日の未明には上弦過ぎの半月と木星が接近します。周りには冬の星座たちが広がっています。華やかな冬の星座たちとの名残を惜しみながら眺めてみてはいかがでしょう。
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