(所沢市HPふれ里だより平成27年10月号より)
今年は10月8日が寒露で、24日は霜降。七十二候では14日が菊花開(きくのはなひらく)。まさしく菊の花は盛りを迎え各地で菊花展が開催され、このあたりではユウガギク、カントウヨメナ、シラヤマギクなどの野菊たちが咲いています。
9月から10月にかけてはチョウが数多く見られます。アゲハチョウの仲間も多数飛んでいますが、アオスジアゲハはすぐにそれと分かります。飛び方は素早くほとんど止まらないものの、鱗粉がなく半透明の青い帯はキラキラと目立ちます。
アオスジアゲハは沖縄から本州まで分布しますがもともと南方系のチョウで、秋田県あたりが北限と言われ、日本以外では東洋熱帯に広く分布します。
幼虫はクスノキをはじめタブノキ、シロダモなどクスノキ科の葉を食べます。
このあたりではそう多くいるわけではありませんが、公園などにクスノキがよく植えられているので、大都会でも出会えるチョウです。
黒地に青が美しいアオスジアゲハ。この青い部分は羽化直後には帯緑黄色で、太陽の光を浴びることによって青く変化します。南のものほどこの青も鮮やかなようです。
蛹で越冬し、4月ごろから羽化し、10月ころまでに3回程度発生します。幼虫は成長してくると食樹の葉の上に糸で座を作ってじっとしていることが多く、食樹の葉裏や周辺で蛹になりますが、どちらも保護色で見つけるのは大変です。にもかかわらず、幼虫期や蛹の段階で寄生バエや寄生バチに襲われることが少なくありません。
ほかのアゲハチョウの仲間は翅を開いてとまることが多いのですが、アオスジアゲハは色々な花で吸蜜する時も、じっと翅を広げることはほとんどなく、小刻みに翅を震わせながら花から花へと移っていきます。ただ、夏に雄は湿地などに降りて吸水することがよくあり、この時ばかりは翅は開かないものの動かないことが多いので、近づくチャンスです。普通にいても出会うと何となく幸せな気分になれるようなアオスジアゲハです。
19日は七十二候の蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)。 蟋蟀は今で言うコオロギで、ツヅレサセコオロギのことです。朝夕の冷え込みとともに戸の近くで「肩刺せ、綴れ刺せ」と、衣類の手入れをして冬に備えよと鳴くようになるころとされ、この声を近くで聞くようになったら冬支度を始めたとか。気が付けば見かけるチョウの数も少なくなってきていることでしょう。やがて霎時施(こさめときどきふる)ころとなり、一雨ごとに寒さが募るようになり、季節は晩秋から初冬へと移ります。
空はますます高く冴え渡り、青空に秋の雲が美しいころです。夜空も美しく、夜明け前の東の空では金星、木星、火星が集い、9日、10日は細い月も加わりにぎやかです。16日の西の夕空では土星と細い月が接近します。25日は十三夜、栗名月です。今年は9月中にクリやコナラなどのドングリが茶色に熟し落ち始めていますが、豊作の様子。ドングリが好物のカケスも喜んでいることでしょう。
大きく美しい十五夜の月を愛でた方も多いことでしょうが片見月とならないように、日本ならではの十三夜の月も楽しめますように。
ジョウビタキがシベリア南部、中国東北部、朝鮮半島などから冬越しに渡ってくるのもそろそろです。東南アジアへ渡っていく途中のキビタキにも出会えるかもしれません。何かと楽しみの多い10月です。
![]() アオスジアゲハ |
![]() ユウガギク |
![]() ジョウビタキ |
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■2015年10月15日(木)Sp3巡回報告
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【巡回状況】
・SP3巡回を4名で行ないました。
・巡回開始時間:9:40(早稲田大学バス停集合)
~11:30(西武球場前解散)~14:30頃(センター報告)
・巡回内容:園路状況確認・ゴミ拾い・解説板清掃・倒木処理
・ゴミ収集:約1kg
〔センター施設地下で、収集したゴミを分別中↓〕
【特記事項】
・散策者も鳥の声も少なかった。
・ふれあい湿地の観察デッキ(木道)の終端付近が腐っていて
補修が必要と判断されます。
・和幸の森では樹林地の下刈りがされていて、とてもきれいに
なっていました。
〔樹林地の下刈がされてとても見通しが良い↓〕
・園路柵の腐朽箇所がありました。
〔園路柵の腐朽箇所には、オニグルミも散乱↓〕
【自然観察情報】
<野鳥>
・ガビチョウ・シジュウカラ
<植物>
・湿原の桟橋周囲にミゾソバの花が一杯でとてもきれいでした。
〔湿原桟橋の当り一面に咲くミゾソバの花↓〕
・ミズヒキ・ハナタデ・イヌタデ・ヤブタバコ・アキノキリンソウ
・スズメウリ(実)
・オニグルミの実が落ちていた。
・イノコヅチ(ひっつき虫)
【まとめ・感想】
・いきふれ会の新しいメンバー2名が初めて巡回に参加しました。
・道標周辺の下草刈り等も想定し、巡回時必要な持ち物等について、
今後の分担を確認しました。
以 上(H記)
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■2015年10月10日(土)・Sp2池周辺の作業会
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・狭山丘陵の森を散策する人々が快適と感じられるように、
スポット2池周辺の作業会を行いました。
・いきふれ会6名とセンター2名の計8名が参加しました。
〔作業開始直後↓〕
〔作業状況〕
・10時から作業を開始し、休憩を二回とり、12時を廻
ったところで作業を終了しました。
〔池の周囲は草ばかり〕
・作業内容は
①池の周囲とベンチ屋上の除草。
〔ベンチ屋上の除草に、二名で取り組みました↓〕
②トトロ1号地階段前卓テーブルの重曹拭き掃除。
③池の島の廻りに、シャベル等で水みちをつける。
④池に投げ込まれた丸太の水揚げと切断、センター
持ち帰り、等です
〔休憩中の様子↓〕
〔自然観察情報〕
・水みちづくりのために、池の泥を水揚げする作業をして
いると、この池で育った二種類のカエル(アカガエル科)
が現われました。
〔島の周囲にシャベルで水みちをつけたところ↓〕
・休憩時間に参加者の服装を確認すると、ズボンのすそや
手袋に、ヌスビトハギがびっしりとくっついていました。
・駐車場のニシキギに、カメムシの幼虫がたくさん集まって
いました。
〔キバラヘリカメムシの5齢幼虫↓〕
〔まとめ・感想〕
・作業の人数が揃うと、短い時間でもはかどりがよく、
達成感を感じることができました。
・紅葉シーズンを前に、森の環境を整えることができて
良かったと思いました。
〔作業後・池の周辺がきれいになりました↓〕
以 上(事務局記)
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![]() アキノノゲシ |
今日は歩くと汗ばむような陽気でしたが、とてもさわやかできれいな秋晴れの1日でした。
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『実りの秋』を迎え、ガマズミ、ムラサキシキブ、ニシキギとそれぞれにきれいな実を輝かせていました。
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![]() |
虫たちにもたくさん出会えましたが、1番の収穫はアサギマダラ。
キタキチョウは秋型、ハラビロカマキリはしっかりカメラ目線をしてくれました。
何をするにもよい季節。たくさんの生きものたちとの出会いを期待しながら散策が楽しめますよ。
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■2014年10月2日(金)巡回報告
スポット1~スポット2~菩提樹池~センター
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〔巡回状況〕
・SP1~SP2~菩提樹池~センターまでの巡回を2名で
行ないました。
・10:00巡回開始~13:10センター到着
・ゴミ収集量:少々
〔Sp1解説板・清掃前↓〕
〔清掃後↓〕見やすい
〔特記事項〕
・前日、爆弾低気圧のせいで風雨強であったが、倒木等は
なかった。
・ドングリがたくさん落ちていた。
・ゴミはほとんど無し
・狭山湖では、バードウオッチングやウォーキングの人に
会ったが、園路ではほとんど人に会わなかった。
★雨の後の巡回だったため、急坂では滑りそうで、危険を
感じた。
〔初秋の狭山湖堰堤↓〕絵になる景色
〔自然観察情報〕
(Sp1-狭山湖周辺)
・ブタナ・エボシグサ・ナンテンハギ・セイタカアワホダチソウ
・ツリガネニンジン・アメリカセンダングサ・ヘラオオバコ
(Sp2)
・ガマズミ・ヤブタバコ・ホトトギス・ガンクビソウ・ハナタデ
・ミズヒキ・コムラサキ・アキノウナギツカミ・ジュズダマ
(菩提樹池)
・アキノキリンソウ・センボンヤリ・キツネノマゴ
・オトコヨウゾメ(実)
〔カンアオイ↓〕
〔まとめ・感想〕
・スポット1(狭山湖堰堤)の巡回は1〔回/月〕くらいで
良いと思う。
〔収穫後の菩提樹たんぼと案山子↓〕
以 上
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