明日も咲いて、忘れ草(ヤブカンゾウ)

いきふれ自然情報

(所沢市HPふれ里だより平成28年7月号より)
今年は7月7日が小暑、22日が大暑。真夏の訪れを思わせますが、大暑の頃が平年の梅雨明けですからまだまだ梅雨本番。じめじめとして何となく暗い雰囲気の中、ヤブカンゾウが太陽のように咲いています。
ヤブカンゾウは有史以前に中国から帰化したと考えられ、日本全国の道端や土手、林の縁などに普通に見られる多年草です。
6月ころからオオバジャノヒゲ、ジャノヒゲ、ヒメヤブラン、ヤブカンゾウ、ヤマユリとユリ科の花が多く咲き…といきたいところですが、ヤブカンゾウは、2009年に発表された新しい分類でススキノキ科になりました。そして前述の花もヤマユリ以外はキジカクシ科になったので、『ユリ科の花の季節』と言えなくなってしまいました。
科はさて置き、ヤブカンゾウの花は八重咲きのユリのように見えます。
これはおしべとめしべが花弁状になることによって八重になっているためで、完全に花弁化していないおしべもあります。というわけで実はできず、根茎からつるを出して増えます。
上を向いて咲くオレンジの花は気分も明るくしてくれますが、ひとつの花の命は1日。夕方にはしぼんでしまいます。それでも次々と花を咲かせてくれるので何日も楽しめます。
英名でもDaylily、学名のHemerocallisも、ギリシャ語のhemera(1日)+callos(美)が語源となっています。この花を見ていると物も忘れると言う故事からの漢名『萱草』を日本語読みしてカンゾウとしましたが、萱の字には忘れるという意味があり、忘れ草とも呼ばれます。このあたりではもう一つ、ノカンゾウがあり一重咲きです。こちらはヤブカンゾウより一回り小さく葉も細いですが、変異もあるので花が咲くまでわからないことが多いです。これもなぜか普通実を付けません。また、同じような場所に生えますが、藪と野が頭につき、ノカンゾウはより湿った場所にと微妙にすみ分けているかのようです。
どちらも若芽を食用にし、花が咲く直前のつぼみも乾燥させて食用にしたり、消炎や利尿などの薬用にしたりします。また、紡錘状に膨らんだ根も薬用にします。
若芽の美味しさから憂さも忘れるので忘れ草と呼ばれるとも言われます。
忘れ草 我が紐に付く 香具山の
古りにし里を 忘れむがため
万葉集にある大伴旅人の歌で、古くから親しまれてきたことがうかがえます。
今年はほとんどの花の開花が早く、花期も短い傾向にありますが、ヤブカンゾウも例外ではなさそうです。
ニイニイゼミの声やヒグラシの声は少し遅れたようですが、これからは次第に野鳥の声よりセミのにぎやかな声が勝るようになっていきます。
センター周辺ではクロアゲハ、ナガサキアゲハなどの黒いアゲハを目にします。次第に早くなっているホタルの初見日ですが、今年もとっくにヘイケボタルが飛び始めているとの情報です。
梅雨とはいえ、七夕の夜には星空が見たいものです。晴れれば昼間は一番長い時期、夏本番を前に沢山の命が静かに息づいている7月の森です。


ヤブカンゾウ

ヤマユリ

ニイニイゼミ

20160714巡回Sp2+菩提樹池

巡回活動

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■2016年07月14日(木)巡回、スポット2と菩提樹池
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〔巡回時間と内容〕
・スポット2・菩提樹池~センター迄の巡回を2名で行い
ました。

                     ↓ベニシジミ


・9時00分に巡回を開始し、11時45分頃センターに到着
しました。
・巡回作業として、大型案内板周囲の草刈り、解説板・
ベンチ・イスの掃除、ゴミ拾いを実施しました。

     ↓大型案内板周囲の草刈り

〔巡回時の状況〕
・Sp2いきもの湿地の池にはほとんど水が無く、カワニナ、
ドジョウらしきいきものが、人の動きを感知して素早く
逃げていきました。

↓イグチ科

 (ニセアシベニイグチあたりか?)

〔自然観察情報〕
【植物】ミズヒキ・ムラサキシキブ・ヤマユリ・ヤブカンゾウ
【野鳥】ウグイス
【昆虫】セミ、……トンボ
【菌類】キノコ類、ベニタケ科・イグチ科など多数

 ↓ベニタケ科

 (ヤブレベニタケやドクベニタケあたりか?)

〔活動のふりかえり〕
・カブトムシの死骸の近くにカラスの羽根が落ちていました。
カラスの仕業でしょうか。

       ↓鳥(カラス)に襲われたカブトムシ

以 上〔Uen記〕
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20160713作業会「SP5将軍塚」

いきふれの会

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■2016年07月13日(水)合同作業会
スポット5将軍塚周辺の手入れ
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〔巡回時間と内容〕
スポット5将軍塚の作業を4名で行いました。
(センター2名、いきふれ会2名)
蒸し暑い曇り空でしたが、猛暑日でなく救われました。
作業は10時に開始し、12時には解散しました。

〔作業内容〕
・立ち枯れて傾斜しているエゴノキ(≒φ80)を伐採し、
玉切りにしました。

         ↓傾斜しているエゴノキ(伐採前)


・元弘の碑に伸びている常緑の枝・葉を間引きして、
石碑の周囲を明るくしました。

    ↓元弘の碑(レプリカ)周囲の手入れ


・将軍塚周辺の園路脇の除草を行いました。

     ↓園路除草後の様子

〔作業時の状況〕
・狭い園路で腰と膝を曲げ、前かがみになってスピードスケート

 のイメージトレーニングをしている方がいました。
・今回園路左右の笹を刈ったので、トレーニング環境も随分改善

 されたのではないかと思いました。
・他の散策者からも、「ご苦労さまです」とねぎらいの言葉を

 頂きました。

      ↓休憩の様子

〔自然観察情報〕…作業場所で出会ったいきもの
・ノコギリカミキリ
・ナナフシ

            以  上〔事務局記〕
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20160706巡回SP4,5

巡回活動

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■2016年07月06日(木)巡回スポット4,5
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〔巡回時間と内容〕
・スポット4.5~センター迄の巡回を2名で行いました。
・10時00分に巡回を開始し、12時00分頃センターに
 到着しました。

          ↓案内板の清掃


・樹名プレート設置箇所調査と案内板の清掃・ゴミ拾い

(5g)等を実施しました。

  ↓樹名プレート設置箇所(中央にガムテープ)

〔巡回時の状況〕
・Sp5を通る八国山の尾根道は、散策者が多かった。
・将軍塚付近の木柵が朽ち果てていた。
・将軍塚の周辺に立ち枯れの木が三本あり。
 …散策者も多いので、別途対策・処理が必要。
・スポット4の尾根道の解説版に掲示してある案内図が
 破れていた。…撤去が必要と思われる。
・また、同上箇所では、近くの枝が倒れかかっていた。

    ↓ホソヒラタアブ

〔自然観察情報〕

【植物・草本】ユウガギク・ミズヒキ・ヤブカンゾウ
   ・ツユクサ・ウマノミツバ・ヤブカラシ・オニドコロ
・ヨウシュヤマゴボウ
【植物・木本】リョウブ
【植物・木本(実)】ムラサキシキブ・トウネズミモチ
・マユミ・エノキ・エゴノキ・ムクノキ・ミズキ
・ゴンズイ
【虫】ノコギリカミキリ・ニイニイゼミ・マイコアカネ

    ↓ヤマトシジミ


【蝶】ヤマトシジミ・モンシロチョウ・キタキチョウ
・ヒガケチョウ
【野鳥】シジュウカラ・ガビチョウ・ウグイス・
【両棲類】アカガエルの仲間
【菌類】梅雨時の雨上がりで、多くのキノコを見かけた。

    ↓ノコギリカミキリ(♀)

〔活動のふりかえり〕
・ゴミの量が少なかった。

 

 以 上〔Sms記〕

 

〔事務局記〕
……Sp5,将軍塚付近の除草・枯れ枝処理等に
ついては、センターといきふれ会協働の作業会を
企画しており、7月13日(水)Am実施で準備中
です。…天候が心配ですが。
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狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています