静かな冬の使い、ニトベエダシャク(所沢市HPふれ里だより平成28年12月号より)

いきふれ自然情報

54年ぶりに11月に都心で初雪が降り、木々が色づき始めたところへ冬将軍がやって来たようです。

冬の訪れを告げるかのように、狭山丘陵で11月半ばを過ぎる頃、ふっと姿を見せるのがニトベエダシャクです。
今年もセンターでは11月下旬に非常口の灯りに集まって来たと思われる複数の個体を確認しました。「今日みんな羽化したの?」と声をかけたくなります。

ニトベエダシャクは前翅を広げた長さが16㎜から20㎜で、本州、四国、九州に分布し、成虫が発生するのは年に1回です。毎年この時期になるとある朝非常口の扉に1頭いるのを見付け天井を見上げると何頭もいて、ああそんな時期になったのだなと思わせられます。
近づいてもバタバタと飛んで行くわけでもなく、もちろん声を発するわけでもなく、毛皮のマントを付け静かにやって来た冬の使いのようです。

幼虫はリンゴ、クワ、サクラ、アカシデ、ブナ、コナラ、クヌギ、ミズキなどの葉を食べます。
『ニトベ』とついているのは、発見者の新渡戸稲雄氏からきていて、青森県で明治33年に設立された県農事試験場で最初の害虫掛(係)として害虫研究に従事した人で、5千円札でおなじみの新渡戸稲造氏の甥(従兄弟との説もあり)にあたります。主にリンゴの害虫を研究し、リンゴの袋かけも考案したそうです。害虫以外の昆虫にも関心が高くニトベとついた昆虫が12種います。

灯火に集まってくるのはほとんどオスで、12月まで見られますが、冬を告げる使命を終えたとばかりにぱたりと姿を見かけなくなり、卵で冬を越します。そして春に孵化し、6月ころ地中でさなぎになります。

ニトベエダシャクを見たかと思うと、次々とフユシャクたちに出会うようになります。
ムラサキシジミやルリタテハ。成虫越冬をするチョウたちが陽だまりで翅を拡げる姿も見られます。

『大雪』、そして『冬至』へ、冬は本番に向かいます。実りの少なかった今年の秋ですが、お正月飾りとしても知られるマンリョウやユズリハが実をつけています。
冬の訪れの早い今年、冬越しに来る野鳥たちが来るのも心なしか早かったような気がします。
今年は既に葉を落とした木も多い中、12月上旬、狭山丘陵の紅葉はピークを迎えます。凛と澄んだ空気は美しい星空も見せてくれます。日没の早いこの時期、夕方の西の空には金星が輝いています。明け方の東の空にひときわ輝くのは木星。すっかり暗くなった東の空には威風堂々とオリオン座が昇ってきます。夜空を見上げてみると星々がほほ笑んでいることでしょう。


ニトベエダシャク

ルリタテハ

ユズリハ

 

12月の行事案内です。沢山のご参加ありがとうございました。

Event

2016年11月13日 いきふれ会第4回全体会議の報告

いきふれの会

————————————————————-

第4回いきふれ会全体会議(11/13)について報告します
————————————————————-

(1)会議名:第4回いきふれ全体会議、作業会
(2)日 時:2016年11月13日(日)9時30~11時10分
(3)場 所:センター講義室
(4)出 席:12=10(いきふれ会)+2(センター)

↓早朝のセンター、学習の森

(5)会議結果

①前2ケ月の活動実績とふりかえり:記述省略
②樹名板設置活動のふりかえり:
・シュロ縄が樹皮に絡んで脱落しない。
・手作り感が良い。ほっこりする。
・遠くからも良く見える。
・樹名板の白が森の緑に映える。
・いきふれ会の活動を散策者にアピールできる。

↓いきふれ会の会議風景

③2016年度研修先:谷津干潟公園 自然観察センター
・選定理由:狭山丘陵とは異なる自然地形と
いきものを観察し視野を広げる。
・研修時期:2017年1月中旬頃(12月中旬以降募集)
・アクセス:武蔵野線南船橋駅より徒歩20分
④この先2ケ月のスケジュール調整(記述省略)

↓人工池の泥の掻い出し

(6)作業会:ベランダ下餌場の笹刈と池の泥出し
・参加者名:8名
・作業内容:笹刈り、人工池の泥出し
・作業結果:ベランダからの野鳥の見透し確保と、
野鳥の退避ルートとを考慮して刈込過ぎず、丁度

良い出来だった。
参加者が多くいたため、短時間(約35分)で
作業を完了できた。

↓野鳥の餌場の笹刈りの状況

↓作業終了後の記念写真、ご苦労様でした。

餌場の中心にはまだ植え込みが混在しているので、今後は

センターで、剪定なども検討したいと思います。

以 上

20161029 ボランティア養成講座①

いきふれの会

—————————————————————

■2016年10月29日(土)ボランティア養成講座①
—————————————————————
2016年度の新規のボランティア募集の一環として、下記の
通り養成講座①を開催しました。
今回は、スポット3、スポット2の現地踏査がメインです。
歩く距離が長めなので、途中リタイアもOKで進めました。
9名の方が参加し、センター2名と併せ、総勢11名になり
ました。

①早稲田大学バス停に9時集合

〔養成講座のねらい〕
●狭山丘陵におけるセンター管理の飛び地や名所を現地踏査
して、地形・自然・歴史の場所とその魅力を体験する。
●同ルート上のトイレの場所を確認する。
●上記体験を通して、参加者相互の交流を図る。

〔スポット地現地踏査の状況〕

②起伏の多いスポット3の坂道を行きました。

③湿原観察デッキを折り返す。

…最近いきふれ会で設置した樹名板(写真参考)については、
「手作り感があって良い」との意見がありました。

また、付近で話題の墓地計画地の状況も確認しました。

 

④単調な狭山湖周囲道路を踏破し、
オオタカのトイレの近くで休憩しました。

⑤トトロの1号地の階段を下り、いきもの湿地へ向かう

…車両対象の白い案内標識「狭山丘陵いきものふれあいの里」
の下で、「トトロの森への案内表示があると良い。」との意見が、
ありました。

 

⑥狭山湖堰堤下で昼食(12時頃)
昨日は冷たい雨でしたが、今日は陽も照りさわやかに
晴れて、正午の狭山湖堰堤の上には、青空と白い雲が
ひろがりました。

⑦菩提樹田んぼと案山子

⑧センターに14時20分に到着しました。
次回日程等を確認しました。

 

〔事務局のふりかえり〕
・天候に恵まれて気持ち良く歩くことができました。
・狭山丘陵の自然の魅力を少しでも感じて頂ければ有り難い
と考えています。
・地図ではわからない新鮮なルートが歩けて面白かったとの
意見を頂きました。
・参加者の皆さんお疲れ様でした。

*次回11月19日は、スポット5からスポット4を経由して
センター迄歩きます。

以 上〔事務局記〕
—————————————————————

狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています