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スズメ?カナリア?カワラヒワ(所沢市HP「ふれあいの里だより令和元年5月号」より)

今年は5月2日が八十八夜、6日は立夏。4月に夏日を記録しましたがいよいよ本格的な初夏の訪れです。10日からは愛鳥週間、繁殖地へ移動中のキビタキの高らかな声が響く中、シジュウカラやスズメなどはせっせとひなに餌を運んでいます。

日ごとに緑の影を濃くしていく木々は様々な鳥たちの声がするものの姿は見えずといった状況を生み出しています。「キリキリコロコロヴィーン」「チョンチョンチョンジューイ」よく通る美しい声で鳴いているのはカワラヒワ。電線や木の梢でその姿を見つけることができます。

スズメよりやや小さく、オスの方が全体的に緑色味や黄色味が強くなっているものの地味に見えますが、翼の黄色の斑は飛ぶと黄色の帯のように見え目立ちます。尾はM型で、これはアトリ科の特徴の一つでもあります。短くて太いくちばしは固い種子もバリバリと砕いて食べることができ、ヒマワリの種が大好物です。といっても年中あるわけではないので今頃はタンポポの種子など入手しやすいものを食べています。

カワラヒワは本州から九州、伊豆諸島の平地や低山地の明るい開けた松林や雑木林に1年中いて、市街地の住宅の庭木や街路樹でも繁殖しますが、北海道や積雪地などのものは冬は暖地へ移動します。英名はOriental Greenfinchで、東アジア特産の緑色の小鳥が飛び回る美しさは「きれいな雀がいる。」と誤解されることもしばしば。

スズメよりも美しいと思われる割に知名度は低く、スズメが鈴のような声で鳴く小鳥という事から名前が付けられたのに対して、カワラヒワは飼育しようとするとすぐに死んでしまう弱い鳥を(ひわ)と呼び河原にいる鶸ということから名前が付いたと言われます。鳴き声もカワラヒワの方が美しいと思われますがいかがでしょう。

カワラヒワは繁殖前になると集団誇示行動と呼ばれるいわゆる集団見合いをします。オス同士で鳴きながら戦い、勝ったものからメスに求愛をし。ペアになって集団から出ていきます。戦いは次のオスを決定するために続けられます。この行動は地域によって季節が異なっています。繁殖期には各つがいが巣の周り直径約30メートルほどの狭い範囲を縄張りとして守り、小さい縄張りを密集させてルーズコロニーといわれるゆるやかな集団になります。戦いに負けてペアになれなかったオスはこの集団から付かず離れずさえずり続けます。

求愛のためにオスがメスに食べ物をあたえたり、卵を温めているメスにオスが食べ物を運んだりといった光景に出会えると、つい笑みがこぼれることでしょう。

美しい鳴き声で知られるカナリアは、カナリア諸島に分布し、飼い鳥として改良され世界中で愛され、日本には江戸時代中頃から輸入されていますが、スズメもカナリアもカワラヒワと同じスズメ目でいわば親戚みたいなものです。身近にいるカワラヒワ。警戒心は強いですが、ちょっと気を付けてみると出会える小鳥です。

今年も4月下旬からアカシジミが見られるようになり、年に1度のゼフィルス(ミドリシジミの仲間)の季節が始まっています。初夏を告げるようにサトキマダラヒカゲも発生します。

この時期に咲く代表的なアザミはノアザミ。チョウはもちろん数多くの昆虫がこの花にやってきます。エゴノキが咲きウツギが咲きやがて入梅を迎えます。

  カワラヒワ

 サトキマダラヒカゲ

  ノアザミ



狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています