1. TOP
  2. いきふれ自然情報
  3. 青い鳥オオルリ幸福を歌う⁈~ふれあいの里だより令和5年6月号~

ここから本文です。

青い鳥オオルリ幸福を歌う⁈~ふれあいの里だより令和5年6月号~

5月中に九州から東海地方まで梅雨入りが発表され、関東地方も平年の梅雨入りは6月8日。暦の上では今年は6月11日が『入梅』です。いよいよ雨の季節となりなかなか外へ出るのもおっくうになりがちですが、深緑の美しい時季、野鳥たちの声もさわやかに響き渡ります。

日本を代表する美しい鳴き声を持ち、ウグイス、コマドリとともに日本三鳴鳥と呼ばれるオオルリの声も聞こえてくるかもしれません。

オオルリは全長16.5センチメートル、翼を広げると27センチメートルで、スズメよりやや大きく日本には夏鳥としてほぼ全国に渡来します。巣は崖地にコケを用いて造るので、山地や丘陵の渓流沿いの森林などで繁殖します。狭山丘陵でも繁殖していると考えられ、春と秋の渡りの季節には市街地の公園などでも出会うことがあります。

オスは上面が藍青色で頭部は明るい光沢のある青色をしていることから、古くはルリやルリチョウと呼ばれていました。江戸中期に同じ瑠璃色をした小さなコルリと区別するためにオオルリと名前が付きました。オオルリ、コルリ、ルリビタキを瑠璃三鳥とも呼びます。

4月末から5月初めにかけオスが渡ってきて縄張りを確保します。そしてメスが渡ってきてメスのみで巣造りをして抱卵し、オスは縄張り内を見て回り、高い木の上でさえずり縄張り宣言をします。ひなが孵ると雌雄で餌やりをします。忙しくなるのでオスも今までのように歌う時間がほとんどなくなります。

高くて見晴らしの良いところで「ピールーリー  ポーピリーピピ」など何種類かのさえずりをします。山地の涼やかな渓流で高らかにさえずる姿を思い浮かべるだけでもさわやかな気分になります。美しい姿に美しい声のオスですが、メスは全身が褐色で下面は淡く、のどと腹は白色で、やや赤褐色がかった尾をしています。子育てのためには目立たないほうが安全です。

飛んでいる昆虫を飛びながら捕食するほかクモ類も捕食します。鮮やかな瑠璃色で華麗に飛ぶ姿は本当に美しいのですが、この美しさに加え美声ゆえに、密猟が絶えないことも残念ながら事実です。

10月ころまで日本のどこかで出会える可能性があるオオルリ。夏は山の方へ旅行に出かける方も多いことでしょう。目立つ姿、目立つ声で歌うオオルリを探してみてください。冬には東南アジア、フィリピン、インドネシアなどに渡ります。この時は静かに移動していきますがすぐそばを通っていくかもしれません。

6月中は金緑色のミドリシジミの仲間、ゼフィルスたちに年に1度出会える季節です。センターエリアではアカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミが5月中に確認されました。クリの花によく訪れるので、独特のにおいがするクリの花を見つけたらよく見てみてください。この匂いは昆虫たちを惹きつけるようです。

ムラサキシキブの甘くもさわやかな香りが森に漂っています。雨に濡れて赤く色づいたニワトコの実は重そうにうなだれています。以前は7月ころ咲いていたリョウブも6月中に咲きそうです。ドクダミが咲き誇り美しい目のようなギンリョウソウが花を咲かせています。イチヤクソウの花は恵みの雨をうつむきながら受けています。

エナガやシジュウカラ、ヤマガラなどの若鳥たちもにぎやかに鳴きかわしながら木々の間を飛び交っています。

北半球では1年で最も昼間の長い夏至。今年は6月21日ですが、翌日の夕方から宵にかけて西の空では細い月と宵の明星金星、火星が集っています。梅雨の晴れ間に出会いたい光景です。

オオルリ

  アカシジミ

    ニワトコ



狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています