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川とともに、セグロセキレイ(所沢市HPふれ里だより平成27年12月号より)

今年は秋が長く楽しめた感じがしますが。急に冬めいたかと思えば初秋のような陽気になり、秋晴れよりは曇りや雨の日が続くこともあり、不安定な天候でした。そのせいか木々の色づきもばらばらで、色づかないまま葉を落としているかと思えば、枯れても葉を落とさないなどまるでどうしてよいのか戸惑っているかのようです。
冬越しにやってくる野鳥たちも、少しいつもの年のようには集まって来ていないように思われます。

日本特産種のセグロセキレイは、冬になるとセンターの周りで時々見られるようになります。
セグロセキレイは九州以北の主に河川の中流域に生息し、季節による移動もあまりしません。秋冬に海岸近くで見られることがありますが、河原や河口近くに限られ、海岸ではほとんど見られません。一方生息域の河川の中流は、都市の中心部にあることが多いので、街なかでも見かけることがあります。
スズメより大きく、長い尻尾を含め体長は約21センチ。頭から背、尾、胸にかけて黒色で、白い眉があるように見えます。「ジジッ ジジッ」と濁った声で鳴き、さえずりは「チーシージョイ」などです。ハクセキレイと見分けがつきにくいことがありますが、眉と濁った鳴き声で区別できます。

子育てはまだ先ですが、セグロセキレイは秋につがいをつくってなわばりをもちます。七十二候では、9月12日ごろが鶺鴒鳴(せきれいなく)で、セグロセキレイが恋の季節に入ることを表しています。日本書記に出てくるセキレイは、セグロセキレイと考えられ、最古の記述がある鳥と言えます。別名には恋教え鳥、石叩きなどがあります。

足を交互に出してちょこちょこと歩き、急ぎ足の時は目にも止まらないような足の動きです。尾羽を上下に振るのが特徴で、波形を描いて飛びます。
普通に見られていたセグロセキレイですが、数を減らしています。これはハクセキレイの繁殖場所が拡大してきたからかもしれません。

ウメモドキ、ガマズミ、トキワサンザシ、実りの多かった木々ですが、自然に落ちたり野鳥たちのえさになったりして気が付くとすっかりなくなっていることでしょう。ヤブコウジ、カラタチバナ、センリョウ、マンリョウ、ナンテンとお正月飾りに使われることの多い木も赤い実をつけています。ジロボウエンゴサク、ムラサキケマンのハッとするような緑、春の七草のハコベが咲いていることもあります。
今月上旬の明け方には夜更けの明星木星、赤く輝く火星、明けの明星金星などと日ごとに細くなっていく月との共演が見られます。22日は冬至、0時には北斗七星がまっすぐ立ったように見えます。23日宵の東の空では満月に近い月が牡牛座にあり、スバル、アルデバランとの共演が見られます。冬は始まったばかり、凍てつく夜空には明るい星たちが沢山輝いています。

セグロセキレイ


マンリョウ

ハコベ


狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています