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空の勇者オオタカ(所沢市HP「ふれあいの里だより平成29年12月号」より

平成29年酉年も最後の月となりました。センターの周りは野鳥たちでざわざわし始めています。冬越しのために中国東北部や沿海州周辺から渡ってきたジョウビタキもいます。

鳥たちの中でも生態系の頂点で、狭山丘陵では1年中見られるオオタカ。日本では北海道、本州、佐渡、四国、九州の平地から山地の森林で繁殖し、秋から冬にかけては平地の水辺などでも見られています。

オスは全長50cmでハシボソガラスと、メスは56cmでハシブトガラスとほぼ同じ大きさです。カラスの群とオオタカの空中戦を目にすることがありますが、この時に大きさがよくわかります。

オオタカは元々標高500メートル以上1500メートルくらいまでの山地に棲んでいる野鳥でしたが、40年くらい前から人家近くへと出てきました。もちろん今でも山に棲んでいるものはいます。餌としているのは主にハトくらいの大きさの鳥です。狩りに使うエネルギーと得られるエネルギーの収支を考えるとこのくらいの大きさが良いようで、このあたりではドバトが一番餌になっていると考えられます。ただしヒナに与える場合はスズメくらいの小さなものを与えることもあり、特にヒナが小さい場合は小さい鳥を与えることが普通です。

センターの周りでオオタカの食痕が時々見つかりますが、先月には渡ってきたばかりであろうシロハラの羽がありました。何かに驚いたとか特別な理由がない限り餌食になった鳥の羽がいくらか固まって落ちているのがオオタカの食痕です。

ドバトはあちこちにいますし餌には不自由しないかもしれませんが、住宅難は深刻なようです。ある程度広さのある林の中のアカマツなど、主に針葉樹の大木上に巣を造りますが、そういった場所が減っているからです。

関東地方では平均して12月初めに昨年の巣の場所で雌雄ともに生きていれば再会します。不幸にも再会できなかった場合、オスは1年中縄張りを持っているので、そこへはいって来たメスとペアになります。そして1月下旬、巣の場所を考え始めます。オスがいくつかの候補地を案内し、メスが気に入った場所を選び、2月下旬、巣造りが始まり3月下旬には完成します。

オスとメスが並んで波状に飛行するコートシップフライトが求愛行動として行われ、絆を深める行動としてオスがメスに獲物をプレゼントするということもします。

身近にいるといっても数は多くありません。出会えるとラッキーと言えるかもしれません。空が開けた場所では上空を見上げてみてください。悠々と飛ぶオオタカの姿が見られるかもしれません。求愛期に入るこれからはペアで見られる可能性も大きいので期待が膨らみます。

去年はほとんど実をつけなかったヤブコウジも今年は赤い実をつけています。ムラサキシキブも実の付きがよく、今年はどの木もよく実っていますが、それもどんどんなくなってきています。小鳥たちはエサを探すのに大変な時季になってきました。

ニトベエダシャク、クロスジフユエダシャクと今年も約束通りと言わんばかりに11月下旬から発生しています。

寒さが増すとともに空気は澄み、美しい星空を見せてくれます。12月4日は今年1番大きく見える満月、13日から14日は双子座流星群。夕日を眺め1番星を探しながら空を見上げてみるのも楽しいひと時です。紅葉も夕日に照らされてひときわ輝いていることでしょう。


オオタカ

ヤブコウジ

クロスジフユエダシャクの雄



狭山丘陵いきものふれあいの里センターは 公益財団法人トトロのふるさと基金が指定管理をしています